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降っていた雨は止むことを知らず、むしろどんどんと豪雨になっていった。


チャリ通学の子は開き直ってびしょ濡れで帰る中、教科書を数冊詰めたスクバを見ては頭を抱える私。

…傘ない。


朝は親衛隊にケチつけられたから普通に傘を忘れたのだ。あの子を恨もうそうしよう。

置き傘はと言うと、素朴なビニール傘であったため誰かに持って帰られた。意図的に盗まれたか、間違えたか。


はぁ、と小さくため息をついてスクバを肩にかけ、下駄箱に行く。
ローファーに履き替えてから外を見ると、相も変わらず土砂降りで気分が落ちる。


家まで近いにしろ、傘を取りに帰ってもう一度来るというのは手間でしかないので絶対に避けたい。


と、隣からひょこ、と男の子。


「……Aっ、はいる?」


おおきな深紫の傘を持った、茶髪の癖っ毛の、おとこのこ。



「……入るぅ…」





「ねーぇまじでありがとぉ…たすかった…」

「えーんやで、めっちゃ顔顰めてたの見えてたし」

「まじか」


猫くんの傘に入れてもらい、無事濡れることなく家に着くことができた。玄関先で猫くんにお礼を言うと、ふと猫くんの肩が濡れていることに気づいた。


「待っ…気づかんくてごめん、ちょ、割と濡れてない?」

「え。…あー、別にちゃう?」


自分の肩を軽く触った猫くん。くそッ顔がいい。

といえど貸してもらった手前、濡れているのに別に大丈夫、と言った猫くんに居た堪れない思いをしたため、タオルを取ってくると半ば強制的に家の中に入れた。


さむいだろうし、外。




洗面所からタオルを取ってきて、猫くんの服を拭きながら考える。


ーーーーー“男女二人、何も起こらないはずもなく”…?

鬱くんが以前ふざけて言ってきた言葉。あの時は秒で殴り飛ばしたが、今になって蘇ってきた。

意識をし出すと負けだとは分かりつつも、抗えない。


「……」

「え、なんか顔赤ない?やっぱ風邪引いた?」

なんか寒いしな、とか言った猫くんには申し訳ないが私が勝手に暴走してるだけである。


くそ、次鬱くんに会ったら殴ろう。

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MAI(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!続きも頑張ってください! (1月15日 20時) (レス) @page11 id: 9c768ff3d4 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - めちゃくちゃセンスあってすきです、続き待ってます (1月4日 22時) (レス) id: b8a744f8ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まむ。 | 作成日時:2024年1月3日 21時

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