Last act-10 2 ページ38
加藤「・・・以前は、自分がAの一番近くにいる存在でありたいって思ってた」
「うん・・・」
加藤「けど俺はAの言葉に耳を傾けず、取り返しのつかないことをしそうになった」
私が長期間意識を失った際、結界柱を破壊し大禍時を起こそうと考えたことだろう
彼はただ、私を助けたかっただけなんだ・・・
加藤「小山が止めてくれて、その時確信した、俺はまだAの近くにいなかったんだって」
「・・・・・」
加藤「Aが小山や手越、まっすー、そして俺のこと、俺達皆を大切に想ってることは分かってるけど、それでも・・・なんつーか・・・、特別になりたかったのかな？」
彼自身、以前の感情をよく理解していないのか、少し歯切れが悪い
加藤「けど今なら・・・感じるんだ、Aは俺達一人一人を、それぞれ特別に想っていて、順列なんてないんだって」
「・・・うん」
加藤「その気持ちを大事にしてほしいし、俺のことも、小山や皆のことも、これからも信じていてほしい、それが・・・俺の本当の気持ちだ」
伝え終えると、加藤さんは私から体を離した
皆さんのことをそれぞれ特別に、大切に想っていることは確かだ
加藤さんが度々言うように、小山さんへの想いは中でも特殊なのかもしれないが、少なくとも順列はない
「信じてるよ、しーちゃんのこと、皆さんのこと」
加藤「・・・ありがとう、話せてスッキリした」
「私も・・・気持ちを聞けて良かった」
加藤「あー・・・、それと、前に言った小山の想いに応えてほしいってのも本心だから」
「？」
加藤「以前は二人が話してると切ない気持ちになったけど、今はそんなことはないし、むしろ二人の仲がいいことを望んでる」
彼の穏やかな表情は、それが無理をしている訳でも、嘘を言っている訳でもないことを裏付けていた
加藤さんはちらと桜の木を見て、立ち上がる
加藤「もう夜も遅いし、そろそろ休もう」
「そうだね、・・・朝が来るのが、ちょっと不安だけど・・・」
朝になる度、皆さんとの別れが近づいていることを感じるから・・・
そんな私の頭に、加藤さんはそっと手を乗せた
加藤「俺達には未来でたくさん時間がある、それまで・・・少しだけ待てばいいだけだろ？」
優しく頭を撫でてくれる彼の手が、とても温かい
「・・・うん、ありがとう、しーちゃん」
私達は互いに「お休み」と交わし、各々の部屋に戻った
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ゆうみ(プロフ) - 完結おめでとうございます！毎日お話を楽しみにしていました！4人と主人公との絆は記憶はなくても心が繋がっていて心温まりました。天照さんの作品は全部読ませていただいてどれも大好きなので活動休止はとても悲しいです。また作品が降りてきたらお待ちしてます。 (2019年12月16日 8時) (
レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
MHPEN4(プロフ) - 完結、おめでとうございます！ いつでもいいので、記憶を思い出して欲しいです！ (2019年12月15日 0時) (レス) id: 16550de76d (このIDを非表示/違反報告)
天照(プロフ) - ゆうみさん» 感想ありがとうございます！凄く嬉しいです！完結まで後わずかです。毎回（図らずも）淡い恋心を抱いている加藤さんですが、思い返せば実らせてあげることが出来ず何だか申し訳ないです・・・。最後までどうかお付き合いください。 (2019年12月9日 19時) (レス) id: 2734c54e1d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - ついに最終章になり、そろそろ物語が終わってしまうのかと思うと寂しい気持ちもありますが、個人的にはいつも切ない恋に終わってしまう加藤さんの想いが今回のお話では想いが伝わった事が嬉しいです。最後まで楽しみにしてます！ (2019年12月9日 8時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天照 | 作成日時：2019年11月23日 8時
