Last act-8 ページ35
神社に戻り、私達は自分の部屋に戻った
月明かりの下、私は縁側に座り、庭に咲く桜を眺める
もうすぐ夏が来て、花が全て散ってしまう
だけど来年の春にまた花を咲かせるから、寂しくはない
皆さんとも、もうすぐお別れだけど、いつかまた会える
そう信じてるから、寂しさより、楽しみの方が大きい
加藤「A？起きてたのか？」
縁側を歩き、加藤さんがこちらに歩み寄ってくる
「うん、桜を見てたの」
加藤「・・・もうすぐ、桜は花を散らせて、緑色の葉を付ける、この光景もしばらくは見納めか・・・」
加藤さんは私の隣に座り、同じように桜を見つめた
「そうだね、花弁は勿論綺麗だけど、ずっと咲いてる訳じゃないから・・・」
加藤「枯れない・・・命の終わりが来ないのも、案外辛いもんだぜ」
少し俯き、加藤さんが呟く
彼の前世は、枯れることのない桜
永い年月、自身に宿った人を傷つける力により、彼は望まずともたくさんの人を傷つけた
それがどれだけ辛かったのか、想像に難くない
加藤「まあ、今となっては前世のことも、いい思い出だな」
「・・・強いね、しーちゃん」
加藤「そんなことねえよ、西行法師やAに会えたんだから、俺は・・・幸せだよ」
加藤さんは私に目を向けるが、恥ずかしいのかすぐに逸らしてしまった
「桜がまた花を咲かせるのを待ってる時間も、結構楽しいんだよ、私」
加藤「そうなのか？」
「うん、だからしーちゃん達とお別れしても、また会えるんだって思うと、いつまでも待てるよ」
桜が、また来年花を咲かせるように、皆さんはまた、私の前に現れる
それを楽しみに待つ時間は、決して辛くはない
加藤「いつになるか分からないけど、必ずAに会いに行く、だから待ってて」
「待ってるよ、しーちゃん」
私が笑顔を見せると、加藤さんははにかみながらも、どこか嬉しそうな表情をした
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ゆうみ(プロフ) - 完結おめでとうございます！毎日お話を楽しみにしていました！4人と主人公との絆は記憶はなくても心が繋がっていて心温まりました。天照さんの作品は全部読ませていただいてどれも大好きなので活動休止はとても悲しいです。また作品が降りてきたらお待ちしてます。 (2019年12月16日 8時) (
レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
MHPEN4(プロフ) - 完結、おめでとうございます！ いつでもいいので、記憶を思い出して欲しいです！ (2019年12月15日 0時) (レス) id: 16550de76d (このIDを非表示/違反報告)
天照(プロフ) - ゆうみさん» 感想ありがとうございます！凄く嬉しいです！完結まで後わずかです。毎回（図らずも）淡い恋心を抱いている加藤さんですが、思い返せば実らせてあげることが出来ず何だか申し訳ないです・・・。最後までどうかお付き合いください。 (2019年12月9日 19時) (レス) id: 2734c54e1d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - ついに最終章になり、そろそろ物語が終わってしまうのかと思うと寂しい気持ちもありますが、個人的にはいつも切ない恋に終わってしまう加藤さんの想いが今回のお話では想いが伝わった事が嬉しいです。最後まで楽しみにしてます！ (2019年12月9日 8時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天照 | 作成日時：2019年11月23日 8時
