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act20-15 ページ7

「・・・黒姫さん、貴女の言う通りかもしれません」

黒姫「え?」

「私は今の時代にいてはいけないかもしれません、ですが・・・」


ゆっくりと顔を上げ、弱々しい瞳で黒姫さんを見つめる



「お父様は・・・私を逃がしてくれる際、何があっても諦めるなと仰いました、だから私は・・・最後まで諦めません」


言葉に力はなかったが、その思いは強かった


「そしてお父様がそうしたように、私も・・・大切な人を守りたいです」


気持ちを落ち着かせるため、一旦言葉を止めて息を吐く


黒姫さんから目を逸らさず、言葉を続ける



「小山さんと加藤さんを解放してください」

黒姫「・・・貴女、今の状況が分かってるの?私は貴女を始末しようとしているのよ?」

「承知の上です、貴女の狙いが私であるのなら、お二人を巻き込まないでください」


それを聞いて、黒姫さんは呆れたように溜息をついた


黒姫「彼らだって私達と同じ時代に生きていたし、西行の者と関わりがある、一緒に始末したいところだわ」

「・・・・・」


彼女が私の頼みを受け入れてくれないことは分かり切っていた



だから・・・




「そんなこと・・・させません!」



足に力を入れ、立ち上がる



目を閉じ、精神を研ぎ澄ませた






私はありったけの退魔の力を解き放ち、黒姫さんの妖魔の力にぶつけた




黒姫「!この威力・・・、これが・・・西行の退魔の力・・・」



ここまで退魔の力を使ったのは初めてだ


しかも今の私は、力を使うと著しく体力を消耗する



それでも、私の力で小山さんと加藤さんを助けることが出来るのなら・・・


私は・・・諦めない!




徐々に視界が霞み、呼吸が弱くなる



体の力も抜けていき、立っているのはおろか、意識を保つことさえ辛かった





このまま倒れてしまっても構わない



大切な人の・・・力になりたい!








その時、邪悪な力が打ち払われたような感覚がした



小山「!柱が・・・!」


小山さんと加藤さんは体の自由を取り戻しており、柱も消えている



二人が駆け寄ってくる前に、黒姫さんは私に背を向けた



黒姫「私の力を破るなんて・・・、でも・・・そこまでのようね」


顔だけこちらに向けているようだが、目の前が暗くなっていき、はっきり前が見えない


黒姫「私もだいぶ力を使ったし、今回は見逃してあげるわ、また会いましょう、A・・・」




黒姫さんの言葉を聞いた直後、視界が完全に黒に染まり、私は気を失っていた

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作者名:天照 | 作成日時:2019年10月12日 18時

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