act20-14 ページ5
お父様・・・西行法師様に、黒姫さんは封印されたと言う
黒姫「どこにあるかも分からない暗闇に、私は閉じ込められたわ、本来なら、間もなく消滅していたのでしょうけど・・・」
黒姫さんは視線を私から外し、暗雲に覆われた暗い空を見上げた
黒姫「西行法師の退魔の力が極端に弱くなっていたこと、そして私が大禍時で大量の妖魔を取り込み力をつけたことで、私は消えることはなかった」
私を未来へ逃がし、たくさんの妖魔と戦ったお父様には、もうほとんど退魔の力は残っていなかったはず
きっと黒姫さんを封印するだけで、精一杯だったと思う
黒姫「西行法師が死してなお、封印が破られることはなかった」
上を向いていた黒姫さんは、顔を下げ、歯を軋ませた
黒姫「私は近づいてきた妖魔を取り込み、力を蓄え続けた、何年も、何年も・・・、気が遠くなるほどの幾星霜、漆黒の中でずっと!」
がばりを顔を上げ、彼女は私を睨みつける
黒姫「そしてついに、封印を破るほどの力を手に入れた!永かったわ・・・、本当に・・・」
鋭い眼光を向けたまま、黒姫さんはにやりと口の端を上げた
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作者名:天照 | 作成日時:2019年10月12日 18時