act17-17 ページ49
小山さんは一歩、禍津さんに歩み寄った
禍津「・・・この程度で・・・調子に乗るな！」
禍津さんは右手を上げ、指をパチン！と鳴らす
直後、辺りから多くの妖魔が姿を現した
姿形も様々で、どれも皆大きい
小山さんは顔を動かし、周囲の妖魔を見渡した
小山「・・・はあっ！」
掛け声とともに、右腕を大きく横に振るう
刹那、小山さんを中心に突風が前方に発生し、数体の妖魔を上空に吹き飛ばした
空高く打ち上げられた妖魔の巨体が、一気に地面に激突する
小山さんは再度突風を放って追撃した
落下した妖魔はそれを受けて後方の木々に打ちつけられ、消滅した
攻撃の余波か、微弱な風がびゅうと吹き抜ける
「凄い・・・」
私の口から、自然とそんな感想が出ていた
別の方向にいた妖魔が、一斉に小山さんに向かって飛びかかってきた
小山さんは瞬時に飛び退き、妖魔を回避すると同時に距離を取る
攻撃の直後で動けない妖魔に向け、小山さんは両手を翳した
すると、彼を中心に、数えきれないほどの小さな紅い光が渦巻きだした
その光は、蝶を模っている
真紅の光の蝶の中央で、小山さんはしっかりと妖魔を見据えていた
小山さんの周りをくるくる回っていた数多の蝶が、一斉に妖魔に向かっていく
思いの外スピードが早く、かなりの勢いがあることが分かる
蝶が妖魔にぶつかり、爆発が起こった様に辺りが紅い光に包まれる
光が消えると、妖魔は一体も残っておらず、僅かに紅い蝶がひらひらと舞っていた
禍津「・・・小山慶一郎、貴様は・・・一体・・・」
禍津さんにいつもの余裕が見受けられない
それほどまでに覚醒した小山さんの本来の力は、今までとは比べ物にならなかった
バサバサ、と上空から羽音が聞こえる
見上げると、鳥型の妖魔が数体、円を描くように上空を旋回していた
小山さんは上を向いたまま、足に力を入れた
そのまま地を蹴り、彼の足が地面から離れる
その瞬間、彼の背中に紅い光が集まった
その光は蝶の羽へと変化し、ばさりと音を立てて羽ばたいた
小山さんは飛行能力を得て、空を飛んでいる
前世が蝶だから、そんなことも可能なんだろうな・・・
真紅の羽で飛翔する小山さんの姿は、とても美しく、神秘的だった
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天照(プロフ) - ゆうみさん» ありがとうございます！長く続いているシリーズですが、応援して下さり光栄です。次第に謎が明らかになっていき、あれ、そう言えばここが伏線だったんだ、と思い返していただけると嬉しいです。楽しみにして下さり感謝感激です。 (2019年9月1日 19時) (
レス) id: 2734c54e1d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - 移行ありがとうございます！いつも楽しみにしております♪お話も進みますます展開が楽しみです！まだ謎の部分とか、何でだろ？とか色々考えながら読み進めてるのでこれからもお話楽しみにしてますので頑張ってください！！ (2019年9月1日 8時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天照 | 作成日時：2019年9月1日 6時
