逢魔時 〜時を越えた絆〜6

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〜小山side〜




「・・・帰らなくて良かったの？」


結局俺は今日もAの部屋まで連れてきてもらった



Aは心配そうに俺を眺めている


俺がいつ帰ってもいいようにか、窓が開いていた


彼女の気遣いは嬉しいけど、俺はここにいたい



Aと、一緒にいたいんだ





「私と・・・一緒にいたいの？」



途端に、心が明るくなった



気持ちが伝わった気がしたからだ



必死に喜びを伝えようと、彼女の周りをくるくると飛び回る




するとAは、嬉しそうに微笑んだ



彼女が出した両手に乗る




俺を見つめるその瞳は、純真で、とても優しかった









それから俺達は、いつも一緒にいるようになった



外を駆け回る彼女を、必死に追いかける


何だか、雲を目指す感覚に似てるな・・・


振り返って見せる無邪気な笑顔が、とても眩しい





Aと一緒に過ごす時間が、彼女の笑顔が、大好きだ





ある日、Aは大きな紙を床に広げた


見たことのない文字がびっしり書かれている


徐に紙の上に下りると、彼女はじっと俺を眺めた




「・・・けーちゃん」



けーちゃん？





言葉の意味が気になったのか、俺の羽が自然と上下する




「けーちゃん！貴方の名前は今日からけーちゃんだよ！」



俺の・・・名前？



どこからその名前が出てきたのかは分からなかったけど、とても・・・嬉しかった



彼女にとって、特別な存在になれたような気がしたから




Aがくれた、俺の名前



ただの蝶だった俺に、Aはかけがえのないものをくれた






本当に・・・ありがとう、A・・・

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