act15-12 ページ11
神社に戻ると、こちらに駆け寄ってくる足音が聞こえた
小山「Aちゃん！お帰り！」
「・・・只今帰りました」
何とか笑ってみせるけど、上手く笑顔を作れている自信がない
ニコニコしていた小山さんの表情が、心配そうなものに変わる
小山「どうしたの？何かあった？」
「・・・・・」
先程の黒姫さんの話を、小山さんに話すべきか迷っていた
小山さんの記憶に、私の過去が関係しているかもしれない
けど私が思い出さない限り、結局何も変わらない
今話しても、解決しない気がした
何より頭がまだごちゃごちゃしていて、上手く伝えられそうになかった
「ちょっと、疲れてしまって・・・」
適当なことを言ってごまかす
小山さんには、本当に申し訳ない
本当のことを話せないことも、記憶を取り戻す妨げになっていることも・・・
小山「・・・じゃあ、いつもので元気を補給！」
「・・・・・？」
一瞬何のことかと思ったが、すぐにその意味が分かった
「べ、別にそこまで・・・」
小山「・・・正直言うとさ、ただ疲れてるだけとは思えないんだよ、今のAちゃん」
肩がビクリと動く
小山「図星だね」
「・・・・・」
小山「話せないならそれでもいい、ただ俺は、そんな辛そうなAちゃんを見ていたくないだけなんだ」
小山さんは純粋に、私を心配してくれている
私が無理をすると、余計に彼を困らせてしまう
・・・ごめんなさい、小山さん
もう少しだけ・・・時間をください・・・
「私・・・、隠し事下手ですかね？」
小山「そうかもね」
「・・・小山さん、おまじない、お願いしてもいいですか？」
小山「勿論！」
小山さんは私に近づき、額同士をくっつけた
温かい・・・
心が落ち着き、元気をもらえる
私は改めて、忘れてしまった記憶を思い出すことを、静かに決意した
act15 end
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天照(プロフ) - ゆうみさん» ありがとうございます！長く続いているシリーズですが、応援して下さり光栄です。次第に謎が明らかになっていき、あれ、そう言えばここが伏線だったんだ、と思い返していただけると嬉しいです。楽しみにして下さり感謝感激です。 (2019年9月1日 19時) (
レス) id: 2734c54e1d (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ(プロフ) - 移行ありがとうございます！いつも楽しみにしております♪お話も進みますます展開が楽しみです！まだ謎の部分とか、何でだろ？とか色々考えながら読み進めてるのでこれからもお話楽しみにしてますので頑張ってください！！ (2019年9月1日 8時) (レス) id: bea5fb83fd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天照 | 作成日時：2019年9月1日 6時
