逢魔時 〜時を越えた絆〜5

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神前式は滞りなく進み、幕を閉じた



私が神社まで新郎新婦を導き、増田さんの祝詞奏上や巫女の舞など、最高の出来栄えだったと思う



式を挙げたお二人、そして契魔の少女は、とても満足していた




末長いお幸せを祈っております









祭りや神前式といった神社での行事を一通り終え、これから私には大切な用事がある




私の過去・・・子供の頃の事を知る時が来た




お母様はご自身の部屋で待っている






正直、もっと早く答えを聞けると思っていた


小さい頃はこんな子供だった、と思い出話感覚で話してくれるのではないかと・・・



神社が落ち着くまで待つほど、重要な話なのかな・・・？




それもあって、私は少し怖かった



だけど、知ることを望んだのは私自身だ



私も手越さんや増田さん同様、どんな過去だろうと受け入れたい



何を思い出そうと、後悔はしない




お母様の部屋の前で深呼吸し、心を落ち着かせる




「お母様、Aです」


扉をノックして名乗ると、お母様の声が返ってきた


母「待っていました、どうぞ中へ」

「はい、失礼します」


扉を開けると、お母様が姿勢を正して座っていた


扉を閉め、お母様と向かい合うように座る



母「・・・長く待たせてしまって、申し訳ありません」

「いえ、忙しかったので仕方がありません」



初めて子供の頃のことを知りたいと伝えた時のように、お母様は辛そうな表情をしていた




凄く性格が悪かったとか、酷いことをしていたとか・・・


悪いイメージが浮かんできて、ますます不安が膨れ上がる




たとえそうであっても、案外普通であっても、受け止める覚悟は出来ている




母「では、お話します、幼い頃の貴女のことを」




静かな声で伝えるお母様に、私は「はい」と返事した

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