act12-23 ページ14
神前式で使う道具が置いてある部屋の中から、祝詞の書かれた紙を探した
書類の一番上に、畳まれた紙が置いてある
内容を確認したところ、祝詞が記されていた
「こちらです」
それを増田さんに手渡すと、早速広げて文章に目を通した
増田「・・・ん、分かった、任せて」
「はい、お願いします」
増田「・・・あの、さ・・・」
増田さんは辺りを見回し、再びこちらを向いた
増田「・・・ちょっとだけ、いいかな・・・？」
どこか不安そうに、増田さんが言う
「はい、何でしょう？」
増田さんは息を小さく吐き、私をしっかりと見つめた
増田「Aちゃんや皆がいたから、俺は前世と向き合えた、本当に感謝してる」
「心の傷を乗り越えたのは増田さんです、私は・・・信じていただけですから」
増田「それが本当に力になったよ、ありがとう」
増田さんは表情を和らげた後、寂しそうに下を向いた
増田「前世で・・・俺は大切な人と約束をした、ずっと一緒にいることと・・・、涙を見せないことを」
「・・・・・」
増田「でも・・・約束を守れなかった、それは悔しいけど、仕方のないことだったんだ・・・」
「はい・・・」
増田「それでも、繋いだ絆はなくならない、それを教えてくれたのは・・・Aちゃんだ」
彼が見せる笑顔は、どこか無理をしているように感じる
約束を大切にしたいのは分かるけど、今だけは・・・
増田「・・・あいつには悪いけど、もう一度だけ・・・約束を破っちまうかも・・・」
「きっとその方も分かってくれます、自分の気持ちを抑え込んで苦しむ貴方を、見たくないはずです」
増田「・・・ありがとう、・・・ごめん・・・、皆には・・・内緒にしてくれ・・・」
増田さんの頬を、涙が伝った
しばらくして、再度見せてくれた彼の笑顔は、とても優しく、爽やかだった
act12 end
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天照(プロフ) - さやかさん» 感想ありがとうございます！凄く嬉しいです！お掃除の手を止めてしまい申し訳ありません。ですがとても光栄です。こんなカオス極まりない小説ですが、これからも更新を楽しみに待っていただけると作者が泣いて喜びます。これからも応援よろしくお願いします。 (2019年8月16日 19時) (
レス) id: 2734c54e1d (このIDを非表示/違反報告)
さやか(プロフ) - はじめまして。お話に引き込まれてお盆の掃除がはかどりません！学生時代に好きだった小説を思い出しました。更新楽しみにしています。 (2019年8月16日 13時) (レス) id: f831f78169 (このIDを非表示/違反報告)
天照(プロフ) - ぱなさん» 感想ありがとうございます！凄く嬉しいです！さ、最高ですと！？身に余る光栄でございます。凄いと言っていただいて感謝感激です。これからもどうぞ本作をお楽しみください。 (2019年8月15日 18時) (レス) id: 2734c54e1d (このIDを非表示/違反報告)
ぱな - お話が最高すぎて私の語彙力奪われて凄いしか出てきませんw (2019年8月14日 23時) (レス) id: b7efa85c18 (このIDを非表示/違反報告)
天照(プロフ) - みかんタルトさん» いつもありがとうございます！手越さんに続いて増田さんも前世の記憶を取り戻しました。加藤さん、そして主人公の過去も近々判明するかと・・・。お気遣いありがとうございます。みかんタルト様も体調を崩さないようお気を付け下さい。 (2019年8月9日 18時) (レス) id: 2734c54e1d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：天照 | 作成日時：2019年8月6日 18時
