逢魔時 〜時を越えた絆〜

act3-7 ページ36

〜手越side〜




妖魔の気配を察知するのが苦手な俺でも、妖魔に近づいていることが分かった



やがて開けた場所に出て、その異様な姿が目視出来た





一見すると、黒い布がかぶせられた鳥籠


しかし布には目と思われる部分があり、左右に二本伸びた長いリボンの先は5つに分かれていて、奴の手に当たる部位だろう


鳥籠の下の部分からは鳥の足が2本突き出ており、左右に筋骨隆々とした腕が付いている


だが鳥籠の中には、何もない




手越「腕が4本・・・と考えていいんだろうか」

増田「だろうな」


奴を前に、身構える




先に仕掛けてきたのは、妖魔だ



リボン状の腕が振るわれ、そこからカードの様な物が数発飛ばされた


俺は手を前に翳し、力を高める


掌に半透明の炎が現れ、それを放つことで妖魔の攻撃を打ち消す




俺の能力は、炎を出現させ、自在に操ること


そして、それだけではない




跳躍し、一気に距離を詰める



奴の頭上で、右腕を振り上げた


俺の指先に力が集まり、退魔の力を凝縮した爪が生成される



手越「・・・はあっ！！」



落下と同時に腕を振り下ろし、引っ掻くように妖魔を切り裂く



布の部分が僅かに裂け、妖魔は後退りした



間を置かず、まっすーが懐に入り込む


拳を作り、力を込めた



まっすーは身体能力、特に攻撃力を飛躍的に上昇させることが出来る


要するに、怪力ってやつだ




増田「はっ！！」


気合の籠った一撃が、妖魔に炸裂する


その威力がどれほどのものか、妖魔のへこんだ鳥籠を見れば一目瞭然だ



ダメージが大きいのか、妖魔はよろけていた


まだ倒せないか・・・、けどこのまま攻めればすぐに決着はつく



増田「一気に決めるぞ！」

手越「オッケー！」


俺達は奴に向かって走り出した









直後、不意に足が止まる









増田「この・・・気配・・・」

手越「・・・・・！」





気配を察知するのが苦手な俺でさえ全身で感じた、邪悪な力





何だ・・・これは・・・！？





胸騒ぎが収まらない





直感が・・・危険だと警告している・・・！









・









？「邪魔はさせぬぞ・・・！」

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