4人は神様！？ 10

act21-5 ページ12

衝撃的な光景に、私は思わず座り込んだ



外から街の人達の声が聞こえる



石がぶつかる音と窓を閉めていることもあり聞こえにくかったが、耳を澄まして声に集中した







男性1「よくも・・・騙したな！」

女性1「全部、あんた達が企てていたのね！？」



どういうこと・・・！？


騙した？企てていた？



男性2「宮殿の人が・・・地界の内通者だったらしいな！」

女性2「天界に地鬼を送っていたのも・・・あんた達の仕業だったんでしょ！」

「・・・・・！」


先代さんのことだ・・・！


彼女のことが天界の人達に知れ渡ったんだ・・・



男性3「何が姫だ・・・！天界を苦しめる厄病神じゃないか！」

女性3「あんたみたいな人間を信じるんじゃなかった・・・、天界から出て行け！」



・・・これも、先代さんの企みだろう


わざと街の人達に自身の裏切りを浸透させ、かつて一緒にいた私の信頼を失くすための・・・




窓の外から、出て行け！と街の人達が大声で叫んでいる


私は堪らず耳を塞いだ







止まない声に、体が震えだす




・・・違う・・・



騙してなんかいない・・・！




私は戦いを・・・終わらせたいのに・・・





お願い・・・、信じて・・・！








その時、部屋の扉をドンドンと強く叩く音が聞こえた


扉を開けると、祐也が部屋に駆け込んできた


「祐也・・・！？」

手越「A・・・、くっ・・・！」


祐也は窓の外の街の人達を一瞥すると、勢いよくカーテンを閉めた






「祐也・・・、私・・・」

手越「気にするな！Aは何も悪くない！」



祐也はきっと、何があったか分かっている


あれ程の騒ぎだったんだもん、気付いてもおかしくない


私を心配して・・・来てくれたんだ・・・





すると、窓に小石がぶつかる音が再び聞こえた



「・・・・・っ！」


体を押さえて震える私を、祐也は抱きしめた


手越「大丈夫、大丈夫だから・・・！」


祐也は何とか私を落ち着かせようとしていたが、体の震えが止まらない



外からは街の人達の罵声が飛んでくる


その声と、小石のぶつかる音に、私は聴覚だけでなく、視覚も上手く働かなくなっていた


体から力が抜ける





手越「A・・・？おい！A！！」




祐也の声を聞いた直後、私の意識は途切れた

act21-6→←act21-4 2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す