4人は神様！？ 9

act19-4 ページ2

しばらくして、貴久が部屋に来た


増田「お待たせ、手伝うよ」

「うん、じゃあ重い物を運んでもらっていい？」

増田「任せろ」


貴久は私が持ち上げられなかった道具を軽々と持ち上げた


「それは・・・、そっちの段ボールの隣」

増田「応、ここだな」



作業をしていると、外から祐也の声が聞こえた



手越「お待たせー！」

「祐也！」


彼の後ろには、キセキさんがいた


キセキ「事情は祐也さんに聞きました、私に任せて下さい」


キセキさんは壊れたからくり人形の前に屈んで、手を添えた




からくり人形が光に包まれ、散らばったパーツが一か所に集まる


瞬く間に、人形は元に戻った



「ありがとうございます、キセキさん」

キセキ「お気になさらないでください」



すると、劇団の方々がこちらにやってきた


皆さんは今まで別の部屋でお芝居の練習をしていたのだ



男性1「今日はありがとうございました、もう遅いですし、これで十分です」

「ですが、まだ整理が終わっていません・・・」

男性2「後は我々でやっておきますので」

手越「これだけの道具、一日では片付けきれないと思うけど・・・」

女性1「まだ本番まで時間はあります、慌てる必要はありません」

「・・・明日また来ます、その時に続きをしますので・・・よろしいでしょうか？」

女性2「こちらこそよろしいのですか？」

「勿論です！皆さんの力になれれば私も嬉しいですから」

男性3「では・・・、また明日、よろしくお願いします」

「はい！」


部屋の電気を消し、私達は芝居小屋を後にした





「ありがとね、手伝ってくれて」

手越「いいって、どんどん頼ってよ！」

「うん！」

キセキ「もうすぐ夕食の時間です、宮殿に戻りましょう」


ずっと作業をしてたから、お腹すいたなあー




宮殿に戻り、皆でご飯を食べる


今日のことを振り返りながら、私達は話を弾ませた


ただ、慶一郎とシゲアキは会話に参加しなかった


正直私も、まだ二人と口を利ける気分ではない



「御馳走様でした」


夕食を食べ終え、自分の部屋に戻る





ふと、違和感を感じてポケット付近に触れた


「あ・・・！いつの間に・・・」


お芝居で使うであろう扇が、ポケットに入っていた


気付かずに持ってきてしまったんだ・・・



どうしよう・・・、明日返せばいいだろうけど、大切な物だしなあ・・・




・・・よし、今から芝居小屋に戻しに行こう



私はこっそり宮殿を出て、芝居小屋に向かった

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