act16-7 ページ41
街の公園
いつもは子供達で賑わっているのに、今日はやけに静かだ
様子を窺うと、女の子が一人、ブランコに座って下を向いていた
「どうしたの？」
女の子に歩み寄ると、その子は顔を上げ、立ち上がって私に駆け寄ってきた
少女「A様・・・」
「何？」
彼女は、不安そうにこちらを見ている
出来るだけ安心してもらうよう、私は屈んで視線を合わせ、微笑んで話を聞いた
少女「A様は・・・姫様じゃないの？」
どう答えていいか分からなかった
少女「お父さんとお母さんが・・・、A様は姫様じゃないから・・・、天界に必要ないって・・・」
「・・・・・」
少女「・・・姫様じゃなきゃ、いちゃいけないの？」
「・・・そんなことはない・・・と思う、きっと・・・もう既に姫様がいるから・・・、私は必要ないと思ったんじゃないかな・・・？」
少女「姫様は・・・一人じゃないといけないの？」
「え・・・」
姫は二人いてはいけないのか
そう問いかけられる度、私は迷っていた
キセキさんと二人で、天界の『姫』として頑張りたいという願い
キセキさんと肩を並べるには、力不足だという実感
少女「大人の人達が・・・A様に関わっちゃ駄目って・・・」
「・・・そう・・・なんだ・・・」
少女「私達子供にそう言って・・・、もし関わった子がいたら・・・、その子と遊んじゃ駄目だって・・・」
「！そんな・・・、皆は何も悪くないのに・・・」
少女「A様・・・、私・・・どうすればいいの？」
涙を流すその子の頭を、私はそっと撫でる
私にも・・・どうすればいいか分からない
でも、私がどうにかしなければならないことは分かる
姫としてではなく、私は自分の意思で頑張ってきた
だけど天界の人々が必要としているのは、姫の存在
だとしたら・・・、私が『姫』になることが・・・最善なんじゃないかな・・・
ずっと決断出来なかった
自分には無理だって、諦めていた
姫はキセキさんだし、私は彼女のようにはなれない
・・・そもそも、なる必要はあるのかな・・・？
私は私だし、キセキさんはキセキさんだ
祐也達も、ありのままの私を受け入れてくれた・・・
いつも通り、自分らしくいればいいんじゃないかな・・・
私を信じてくれる人がいるのなら・・・
『姫』が、二人いても構わないなら・・・
私は―――――――
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 64人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天照(プロフ) - 椿さん» ありがとうございます！凄く嬉しいです！楽しみにしていただき感謝感激です。頑張る活力をいただきました。 (2018年5月12日 18時) (
レス) id: a981c9ad02 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - はじめまして！密かに読ませていただいています^^ 学校から帰って来てからの毎日の楽しみです！これからもすごく楽しみにしています！更新頑張ってください！ (2018年5月11日 19時) (レス) id: d9ceb7abc3 (このIDを非表示/違反報告)
天照(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます！凄く嬉しいです！楽しんでいただき光栄な限りです。心遣い、心より感謝致します。 (2018年5月10日 19時) (レス) id: a981c9ad02 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - はじめまして♪いつも楽しく読んでます、無理せず頑張って下さいね♪ (2018年5月9日 20時) (レス) id: 86260494da (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：天照 | 作成日時：2018年5月8日 19時
