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act15-15 ページ23

冷気の籠った風が吹き抜ける




トウコツ「・・・生きていたか」



上を見ると、少し高い場所にある岩棚に、トウコツが立っていた



トウコツ「だがお前達、虫の息、ここで始末する」


トウコツは手を前に翳した


トウコツの周りを、4つの水晶が浮遊する




鋭利な氷柱状の氷が、何本も放たれた


加藤さんは傷ついた手を突き出し、炎を放って対抗する



トウコツ「いつもの力、ない、これじゃあ、無駄な足掻きだ」


トウコツの攻撃が、炎を突き抜ける


加藤さんは咄嗟に両腕を交差し、それを受けた


血が辺りに飛び散る





狭い足場で、いつ崩れてもおかしくない


ここで戦うのは危険すぎる


かといって、今の加藤さんは飛んで戦えない



このままじゃ・・・







今度は、巨大な氷柱が出現し、こちらに向かってくる


加藤さんはふらつきながらも立ち上がると、突き出した両手から先程より強力な炎を放った



加藤「ぐ・・・っ・・・!」


加藤さんの表情が歪む


氷柱が少しずつ炎を貫いてきている


だが、氷柱はだんだん溶けて小さくなっていた


加藤「ッ!!はあっ・・・!」


力を振り絞り、加藤さんは炎の威力を更に上げた


ついに、炎と氷が相殺した


だけど加藤さんは力を使い果たし、がくんと膝をついてしまった




トウコツ「これで終わりだ、朱雀」



トウコツの掌と4つの水晶から、冷気が放たれた


辺りの空気さえ、凍てついているのが分かる






「加藤さんっ!!」




無意識のうちに私の体は動き、加藤さんの体を覆うように抱きしめていた





「・・・・・ッ!!」




背中に冷気が当たり、凍りついていく




加藤「!お前、何やってんだ!?」

「皆が・・・貴方を必要としています、ここでいなくなっちゃ・・・駄目です・・・!」


背中の感覚がなくなっていく


言葉も絶え絶えになる



加藤「どうしてそこまで・・・、俺は・・・お前を・・・」

「貴方が私をどう思っていようと・・・、私は加藤さんを信頼しています・・・」


精一杯、笑顔を作る


手足にももう力が入らない



「忘れないで・・・ください!貴方は・・・一人じゃない・・・!」


それでも、残った力で思いを伝える



「不安なら・・・私がそばにいます!約束します!加藤さんを・・・絶対に一人にはしない!!」




体中の温度が下がる


もう・・・意識を保つのもやっとだ





加藤さんに体を預けるようにして倒れ、そっと目を閉ざした

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天照(プロフ) - 椿さん» ありがとうございます!凄く嬉しいです!楽しみにしていただき感謝感激です。頑張る活力をいただきました。 (2018年5月12日 18時) (レス) id: a981c9ad02 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - はじめまして!密かに読ませていただいています^^ 学校から帰って来てからの毎日の楽しみです!これからもすごく楽しみにしています!更新頑張ってください! (2018年5月11日 19時) (レス) id: d9ceb7abc3 (このIDを非表示/違反報告)
天照(プロフ) - 瑠璃さん» ありがとうございます!凄く嬉しいです!楽しんでいただき光栄な限りです。心遣い、心より感謝致します。 (2018年5月10日 19時) (レス) id: a981c9ad02 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃(プロフ) - はじめまして♪いつも楽しく読んでます、無理せず頑張って下さいね♪ (2018年5月9日 20時) (レス) id: 86260494da (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天照 | 作成日時:2018年5月8日 19時

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