act13-4 ページ2
前に進む祐也と貴久を眺めていると、いつの間にか私自身の恐怖もなくなっていた
二人は本当に、あれだけいる地鬼を倒すつもりだ
ずっと漠然としか感じられなかった、二人の強さ
けれど、二人が過去の苦悩や葛藤を乗り越え、強く一歩を踏み出したその姿を、私は目の当たりにしている
その時から、彼らの本当の強さを実感し、二人への信頼も強くなった
だから不思議と、二人を見ていると、二人なら本当に出来ると確信している
多分ではなく、絶対―――――
ここまで自信を持ってそう思えるのは、ひとえに祐也と貴久への絶対の信頼があるから
手越「わー!結構な数だな」
増田「数だけだ、一体一体はどうってことねえよ」
手越「だな、背中は任せたぞ!」
増田「こっちこそ」
一旦言葉を止めると、貴久は少し目を泳がせた
増田「・・・なあ、手越」
手越「何?」
増田「・・・ありがとな、いつも・・・支えてくれて・・・」
手越「どした?突然・・・、何か気持ち悪い」
増田「うっせーな、・・・その、なんつーか・・・、今までも結構、手越に助けられてたんだなって思って・・・」
手越「え?」
増田「ずっとさ、守ることに固執してたけど・・・、支え合って、背中を預けられる存在がいるのって・・・すげー心強いんだって分かったんだ・・・」
手越「まっすー・・・」
増田「・・・だから、手越には感謝してる、・・・これからも頼んだぞ」
手越「応!俺もたくさん迷惑かけるかもしれないけど、これからもよろしくな!」
増田「程々にしてくれ」
嬉しそうで、自信に満ちた、笑みを含んだ二人の表情
互いへの信頼が伝わってくる
手越「そろそろ行くぞ」
迫ってくる地鬼に、祐也は駆け寄った
地鬼も祐也に気付いたのか、足を止めて一斉に睨みつける
自分に視線が向いている訳じゃないのに、あれだけの数の地鬼が一か所を同時に見つめた瞬間、私の体が硬直した
増田「雄々オオオォォォオオオ―――――!!!!!」
虎の咆哮の如き雄叫びを上げ、貴久は空に電撃を放った
落雷が地鬼に直撃する
鋭い雷鳴が、私の体の芯を打ち震わせた
54人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
天照(プロフ) - 久瑠実さん» ありがとうございます!凄く嬉しいです!しばらく更新出来ず申し訳ありません。これからまた頑張ります。 (2018年5月6日 18時) (レス) id: a981c9ad02 (このIDを非表示/違反報告)
久瑠実(プロフ) - 更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2018年5月6日 10時) (レス) id: ce7da4087f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:天照 | 作成日時:2018年4月17日 19時