幻想戦歌10

Last act-4 ページ49

錦戸「はい、A」

「ありがとうございます」



なぜかまたたこ焼きパーティをやっていた渋谷さん達



楽屋を訪れたらこちらが発言する間もなく引き入れられました




「おいしいです！」

錦戸「おおきに」

渋谷「にしても、突然鬼の怪異が消えたと思ったら、まさかAちゃんが親玉を倒していたとはな」



以前の戦いのことは、ざっくりとだがジャニーズ全員に伝わっている



「皆さんの協力があったから、私は戦ってこれました、皆さんに会えて・・・良かったです」

安田「嬉しいこと言ってくれるね」

村上「俺らも一緒や、Aちゃんと一緒に戦えて心強かったで」

横山「なあ、今度俺ら関西に行こうと思ってるんやけど、Aちゃんも一緒にどう？」

丸山「いいっすね！来てや！Aちゃん！」

「はい、お願いします！」

大倉「よっしゃ！日時が決まったら教えるな」

渋谷「名所案内したげるで」

「ありがとうございます」


叶わないことだって分かってる


だけどごめんなさい、嘘を・・・つかせて下さい・・・



「御馳走様でした、お邪魔しました」

錦戸「・・・A、ちょっとええ？」

「？はい」


私は錦戸さんと一緒に楽屋を出た



錦戸「・・・ぴぃのこと、ホンマに感謝してる」

「いえ、こちらこそ」

錦戸「ちょくちょく会ってるんやけど、心なしか前より元気になった気がすんねん」

「そうですか、良かったです！」

錦戸「もしまた異変が起こって、あいつが自分の使命に葛藤する時が来たら・・・また一緒に止めてくれへん？」

「勿論です、錦戸さん」

錦戸「おおきに、・・・引きとめて悪かったな、気をつけて帰るんやで」

「はい！」




もう、山下さんが苦しむことはない



私が異変をなくすから・・・、山下さんが誰も傷つけなくて済む世界を創るから・・・








事務所を出て振り返り、その外装を眺める




この事務所とも、今日でお別れ




たくさんの思い出が詰まった場所




思い起こす度、胸が熱くなる








頬を伝う涙をぬぐい、私は事務所を後にした

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