幻想戦歌10

act24-1 ページ4

ジャニーズからの招集




私は重い足を引きずるようにして、事務所の大会議室に向かった







部屋に入ってすぐに、重い空気を感じた





皆表情が暗い、怪我が治ってない人もいる




私は部屋の後ろの隅に向かい、壁にもたれた






伊野尾「Aさ・・・」

薮「行くな、一人にさせてあげて」

伊野尾「・・・・・」



事実今は誰とも話したくなかったから、薮さんの心遣いに感謝した




しばらくして、社長が入ってくる


心なしか、いつものような威厳や活気がない





社長「・・・YOU達、連日の戦い、本当にご苦労だった」


一旦そこで呼吸を置き、話を続ける


社長「今回現れた鬼の怪異、今までの怪異とは比べ物にならないほど強い

しかし奴らの好きにさせては『日本』は喰われる

我々は変わらず、特務を遂行するだけだ

・・・無論それが困難を極めている事は理解している」




不安と恐怖で体が震える


俯く私の肩に、そっと手が添えられた



「・・・慶・・・」


慶は心配そうに私の顔をのぞいてきた


私は無理やり笑顔を作った


慶は私の心情を知っているだろうけど、何も言わず微笑み返してくれた




社長「奴らについては調査中だ、YOU達は引き続き、怪異の対応にあたってくれ」


今までと変わらない指示のはずなのに、無謀なことを頼むように社長の言葉は重かった



社長「どうか・・・無事で・・・」


最後にそう伝え、社長は会議室を出た









小山「A」

「何？」

小山「アルストロメリアのことはまだ社長には伝えてない、この状況だし、不安が余計に増えるだけだと思ったから」

「うん・・・」

小山「だけど・・・話さなければならないとは・・・思う」

「そう・・・だね・・・」

小山「A、無責任なことを言って悪いけど、このことはAが伝えるべきだと思う」

「私が？」

小山「あいつの言葉を直接聞いたのはAだし、あいつはAを狙ってる」


正直、私もそうすべきだと思った


アルスに一番関わってるのは私だ


それにもう一つ、伝えなきゃいけないことがある




私の戦う意思



アルスのもとに向かって戦うことを、認めてもらわないと・・・

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