第四十話「美しい人」 / 渋谷ハル ページ44
渋谷ハル 視点
色んな事が起こりすぎていつもより頭を使って、パンクしそうだ。これでも、物事は考えて行動するからそうなることは少ないのだが、やはり他人と動くとそうなってしまうのだろう。
Nora「本名、Aって言うんです。だからそっちで呼んでください〜」
ずっと推しだった人の本名。仲のいいらっだぁさん達でさえ偶然知ったと言うのに、僕には何故か教えてくれた。その理由が身バレ防止だと分かっていても、嬉しかった。
でも数分前に好きになった人で、しかもカワセさん辺りもそれを察してたから普通にキョドった。
『A、さんはここで待っててください。』
ポップアップストアに来てくれた事が嬉しくて奢ると言ったついでに名前も呼んだのだが、これが正しかったのかは分からない。けれど戻ってきて、Noraさんの顔が赤かったのを見ると、多分失敗だったんじゃないかなって思う。
だからこの問いは、僕の頭を悩ませた。
『…分かり、ません。でも僕は、その理由を無理矢理聞こうとも思いません。』
本心。全て、本心だ。推しの、好きな人の嫌なことを無理矢理聞く男がどこにいるだろうか。
Nora「渋ハルさんは優しいですね」
その時のNoraさんは何時になく穏やかで、僕の目を奪うには丁度良かった。
Nora「おじじから聞いてると思いました。私の性格も、過去も、会いたくない理由も。」
信号が青になった。待っていた人達は進み始め、Noraさんも進み始めた。僕は慌てて後を追った。
Nora「渋ハルさん」
『…はい』
Nora「お時間、ありますか？」
多分僕が彼女の推しでもなく、好きになった訳でもなくても、頷いたんだろうなと思うくらい、Noraさんは美しかった。
Nora「散らかってはいないと思うんですけど、正月なので何処も開いてないものですから〜」
招かれたのはNoraさんの家だった。…おかしすぎるやろ。なんで、僕はノコノコと付いてきてしまったんだろう。
Nora「適当にお座り下さい〜。お茶出しますね〜」
『…お構いなく。』
もちろん、Noraさんの家は普通に片付いていて綺麗だった。年越しにはここで忘年会が行われていたというのに、何故こんなにも綺麗なんだろう。
Nora「こんな物しか出せませんが、すぐ終わりますので〜」
目の前に出されたのは、カップに入った紅茶とお茶菓子だった。十分すぎますけど？？
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シーク(プロフ) - miiiimyeeさん» ありがとうございます。これからも気長に投稿致しますので、よろしくお願いします。 (2022年1月24日 2時) (
レス) id: 91eb3b47ba (このIDを非表示/違反報告)
miiiimyee(プロフ) - 一気見してしまいました！今後も楽しみにしております！ (2022年1月23日 19時) (レス) @page29 id: 78df5c06aa (このIDを非表示/違反報告)
シーク(プロフ) - ラピスさん» ご指摘ありがとうございます。早急に直したいと思います。 (2021年12月30日 16時) (レス) id: 91eb3b47ba (このIDを非表示/違反報告)
ラピス(プロフ) - 五円札になってますよ(ｺｿｯ) (2021年12月30日 8時) (レス) @page17 id: 2aba3889f7 (このIDを非表示/違反報告)
シーク(プロフ) - 名無しのpさん» ありがとうございます。頑張ります。 (2021年11月21日 0時) (レス) id: 91eb3b47ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：loW | 作成日時：2021年11月19日 22時
