第三十八話「名前」 ページ42
ハル「ぼ、僕がですか！？」
『はい〜。渋ハルさんが私に似合いそうなもの選んでください〜』
今日のファッションを見た感じ、渋ハルさんはセンスがいい。対して私は服に興味もなければオシャレもしない人間だ。だから、頼みたいのだ。
『嫌、ですかね…？』
ハル「喜んで選ばせていただきます」
私の推しだということはもう分かってる。なら、少し気が弱いフリでもすればいけるかな、と思ったら案外いけた。
『ありがとうございます〜！じゃあ、早速こっちから！』
そうして渋ハルさんの手を取る。服は沢山あるから、早く選んでもらいたい。
ハル「ちょ、Nora、さんっ！？」
『なん…す、すみません。』
喜んだから、そんな理由でさっき愛称で呼ぶようになった人の、異性の手を掴むのはよくない。普段なら絶対こんな事はしないのに、何故かさっきからから回る。
『じゃ、じゃあ、行きますか…？』
ハル「そう、ですね。」
コミュ障、という訳では無いのに、何故か黙って少しぎこちなくなる。発端は、多分らだおくんだ。
ハル「やっぱりNoraさんには黒の方が…いや、白か？フードのあるパーカーの方がダボッとしてて…」
あれから、渋ハルさんは真剣に服を選んでくれている。少し早口になってるところを見ると、やはり彼もオタクなんだなと思う。
『…渋ハルさん』
ハル「はい？」
少し生き生きとしていた目が私を見る。私と違う青眼の瞳はらだおくんとは違う色をしていて、とても楽しそうだ。
『本名、Aって言うんです。だから、そっちで呼んでください〜』
いつものように微笑む。対して渋ハルさんは唖然としていて、動く気配がない。
『大丈夫ですか〜？』
目の前で手を振って大丈夫か尋ねる。ハッとして彼は持っていた服共々、私の肩を掴んだ。
ハル「…めですよ」
『え？』
ハル「そんな、簡単に本名教えちゃダメですよ！？」
何を言い出すかと思えば、今更そんな風に心配してくるから笑ってしまう。これでも、身バレには誰よりも気をつけてきたということで有名なのに。
ハル「いや、ほんと、ダメですって！それを僕みたいなオタクにバラしちゃ！」
『公表しますか？』
ハル「しませんけど！」
知ってる。彼がそんな性格じゃないことくらい、絡んできたから知ってる。
『渋ハルさん、私はちゃんと考えて教えたんですよ。貴方には、教えていいと思ったからなんですよ。』
彼以外に教えることは無いから教えた、それだけですよ。
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シーク(プロフ) - miiiimyeeさん» ありがとうございます。これからも気長に投稿致しますので、よろしくお願いします。 (2022年1月24日 2時) (
レス) id: 91eb3b47ba (このIDを非表示/違反報告)
miiiimyee(プロフ) - 一気見してしまいました！今後も楽しみにしております！ (2022年1月23日 19時) (レス) @page29 id: 78df5c06aa (このIDを非表示/違反報告)
シーク(プロフ) - ラピスさん» ご指摘ありがとうございます。早急に直したいと思います。 (2021年12月30日 16時) (レス) id: 91eb3b47ba (このIDを非表示/違反報告)
ラピス(プロフ) - 五円札になってますよ(ｺｿｯ) (2021年12月30日 8時) (レス) @page17 id: 2aba3889f7 (このIDを非表示/違反報告)
シーク(プロフ) - 名無しのpさん» ありがとうございます。頑張ります。 (2021年11月21日 0時) (レス) id: 91eb3b47ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：loW | 作成日時：2021年11月19日 22時
