第三十四話「意識」 ページ37
一瞬、ほんの一瞬思考が止まった。
ハル「Noraさん？大丈夫ですか？」
気付いた時には信号は青で、渋谷さんは目の前で手を振っている。
『あ、大丈夫ですよ〜。行きましょ〜』
少し小走りで横断歩道を渡る。でもその間もらだおくんに言われたことがずっと頭の中に残ってる。確かに、異性が二人きりで出掛けるのはデートだけど、そうだけど、これは違うから！
ハル「…あの、本当に大丈夫ですか？」
『大丈夫ですよ〜。こっちで合ってますか〜？』
ハル「はい、合ってますけど…。」
全部らだおくんのせいだ。多分この前のお正月の仕返しなんだろう。ほんと、性格がいい。
あんな事はあったが道中ハプニングが起きることもなく、私たちはPARCOに着いた。
『…二年ぶりだ〜』
ハル「え！？」
眺める私を驚いて絶対渋谷さんは見てるだろう。だって言ってなかったんだもの。
ハル「いや、すみません。なんでもないです。」
『大丈夫ですよ〜。あまり外に出ないので、ここに来るの二年ぶりなんですよね〜』
ハル「…因みに、二年前はらっだぁさん達と？」
渋谷さんが何故、そういうことを聞いてくるか分からなかった。けれどまあ、何となくその時は聞き返さずにそのまま答えた。
『そうですよ〜。あの時みたいにぺんちゃんがこっちに来る予定があって、それで遊んだんです〜』
ハル「もう、二ヶ月くらい前ですかね？」
『月日の流れって早いですね〜』
そう考えると本当に早い。たった二ヶ月で二人きりで出掛けるようになるのも、私的には早い。呼び方とか全く変わってないけど。
『渋谷さん』
ハル「なんですか？」
『今更ですけど、渋谷さんって皆さんになんて呼ばれてるんですか〜？』
ハル「多いのは渋ハルですね。仲のいい人はハルくんとか、そんな感じです。」
やっぱり、私みたいに苗字だけで呼ぶのは珍しいみたいだ。
『じゃあ、私も渋ハルさんって呼んでもいいですか〜？』
ハル「え！？あー、いいっすよ？」
『なんで驚くんですか〜？』
予想外の所で驚かれたから笑ってしまった。そしたら今度は渋ハルさんが固まった。
『どうかしました〜？』
ハル「…いや、何もないっす」
そうして顔を逸らされた。不思議に思ったけれどとやかく言うのもなんだと思ってそのまま先を進んだ。
チラッと見た渋ハルさんの耳が赤く見えたのは気のせいだと信じたい。そうでなくては、意識してしまいそうで恐ろしい。
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シーク(プロフ) - miiiimyeeさん» ありがとうございます。これからも気長に投稿致しますので、よろしくお願いします。 (2022年1月24日 2時) (
レス) id: 91eb3b47ba (このIDを非表示/違反報告)
miiiimyee(プロフ) - 一気見してしまいました！今後も楽しみにしております！ (2022年1月23日 19時) (レス) @page29 id: 78df5c06aa (このIDを非表示/違反報告)
シーク(プロフ) - ラピスさん» ご指摘ありがとうございます。早急に直したいと思います。 (2021年12月30日 16時) (レス) id: 91eb3b47ba (このIDを非表示/違反報告)
ラピス(プロフ) - 五円札になってますよ(ｺｿｯ) (2021年12月30日 8時) (レス) @page17 id: 2aba3889f7 (このIDを非表示/違反報告)
シーク(プロフ) - 名無しのpさん» ありがとうございます。頑張ります。 (2021年11月21日 0時) (レス) id: 91eb3b47ba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：loW | 作成日時：2021年11月19日 22時
