【wrwrd】悪役令嬢に転生したので回避しながら生きてみます

第四十一話「役員指名」 ページ42

『グルッペン様に呼ばれているのでしょう？それなら、行きましょう。』

ゾムはそれなりに背が高いので、どう足掻いても私は見上げる形になってしまう。まあ、別にいいけれど。健康に育ってる証拠だもんな。

「で、でも俺、庶民、やから…」

『あら、それの何がいけないの？』

貴族は庶民と関わってはいけないという決まりはない。というかその場合私の周りには庶民めちゃくちゃいるんだが？

『私は関わりたい人と関わり、仲良くするのよ。ゾムとは仲良くしたいと思っているから仲良くしてるだけ。庶民だから、なんてことは関係ないのよ。』

あとメインキャラだからね。仲良くなっといて損は無いしな。

「な、なあ！俺は！？」

『シャオロンもそうよ。コネシマは、言わずもがなって所ね。』

不安そうにしていたコネシマを安心させるように付け加える。こういうキャラの不安を拭うのも後々役に立つことがあるからな。好感度を上げることは本当に大事。

『急ぎの用事かもしれないから、行くわよ。ゾム、案内してくれる？』

「お、おん！任せてや！」

さっきとは打って変わってゾムは元気になった。笑顔が眩しいね。

『それでは皆様、御機嫌よう。』

何も言ってこないので特に気にせず私はゾムの後をついて行くことにした。


「来たか。」

案内された場所は生徒会室だった。うわ見覚えしかない。

『ロボロは、先にいたのね。』

鬱、トントンは多分連れて行かれたんだろうなとは思ったけど、彼もいるとは驚きだ。

定番になってきたと思うが勿論ロボロはメインキャラだ。

他のキャラより背が小さく、天と書かれた雑面を着けている。小動物だと言われているが声が良く、この中だったら筋肉が一番ついてる男だ。

ロボロが産まれた家はある色の瞳が呪いの色だとされていた。運悪く、ロボロの瞳は呪いと言われる桃色だった。呪われると思った一族は子供だった彼をスラム街に置いて行ってしまう。

時に飢えに耐え、時に暴力を受け、その時に彼の身長は止まってしまったのだろう。シャオロンとはその時に出会い、同じ経緯でこの学園に入学する。

恨む理由もシャオロンと同じなので割愛しよう。雑面に関してはどうしても小さい頃のトラウマが拭えないから、ということになっている。

「グルッペンに呼ばれてん。Aもそうなん？」

『ええ。ゾムに呼ばれてきたの。グルッペン様、要件とは？』

「お前たち、生徒会に興味はないか？」

…あ、これもしかして役員決めですか？

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