【wrwrd】悪役令嬢に転生したので回避しながら生きてみます

第二十三話「シャーロット家の庭師」 ページ24

「遠目から見てたけど、結構お嬢様してたね。グルッペンくんも楽しそうに話してたしね」

『しんぺいさんが言ってくれるなら良かった。…って、これでも一応れっきとしたお嬢様ですけど！？』

ごめんね、なんて悪びれもせずに謝るしんぺいさん。あの頃よりこの人とは授業で会う回数が増え、距離も縮まった気がする。

『今日はこの後何も予定は無いのよね？』

「おう！ないで！A様、またひとらんの手伝いするん？」

『ええ、数ヶ月前から育てていた作物がやっと実ったの。だから今日の昼に収穫しようと約束していたのよ』

ひとらんらん。サブキャラであるシャーロット家の庭師だ。
バツのマークが着いたマスクを口元にしており、東洋生まれということで漢らしく仲間思い。ホラーが苦手だがギャップだと人気のキャラである。

ひとらんらんは元軍人でありながら植物が大好きだった。だから庭師として順風満帆に暮らしていたのだが、その思いを踏み躙るようにシャーロットは幼い頃から畑の作物や庭に咲く花を踏み潰したり握り潰したりしていた。主の子供だからと最初は無視したが段々と過激になり、注意した所、シャーロットの地雷を踏み抜き、ストレスの捌け口にされてしまう。

街の花屋で種探しをしている時にヒロインと出会い、そこから何度も出会うので意気投合し、その時だけを楽しみに過ごしてきた。が、ヒロインを虐めるシャーロットの行動と農作物を侮辱した発言で堪忍袋の緒が切れ、紅茶の中に毒を混ぜて殺してしまう。


因みに言うとシャーロットは私の記憶が戻る前から作物を荒らしていたのでひとらんらんとの関係は険悪だった。
だから、謝るだけでは駄目だとまず知識を身に付けた。育て方から育ちやすい気候、光に強いか、いつ実るか、とにかく勉強した。
ひとらんらんに聞きたいこともあったが聞きにくかったのでしんぺいさん通じて教えてもらったりもした。

そして謝罪しに行った。どんな植物を壊したか、その損害から何から何まで全部話して謝った。

「…調べたの？」

『はい、ただ謝っても意味が無いと思いました。ですから、知識を蓄えてから謝ろうと思ったのですが、やはりまだまだですね。本だけの知識では、限界があったようです。』

だが所々指摘された。謝罪の意味はあったのか、そう思いたくなった。

「…一緒にやってみる？」

『え？』

「充分反省してるみたいだし、それだけ調べたらもうあんな事はしないんでしょ？それにしんぺい神から時々聞いてたし」

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