第二十話「登場人物の死因」 ページ21
「…そうか。因みにこの本に登場する人物の死因だが私は」
グルッペンはテーブルの上に置いてある本を一冊取り、パラパラと捲って適当に開いた人物の死因について言ってきた。まあ解釈って人それぞれだよね。
「だから殺害したのではないか？」
口を挟む暇もなかった。本当にお前子供か？そう問いたくなるほどに素晴らしい反論だった。だがしかし、こんなところで引き下がる私ではない。
『グルッペン様が仰る通りだと思います。』
どこか期待していた目が落胆したのを感じた。何を勘違いしてるか知らないけどここで終わるわけがないでしょう。
『ですが私はこう思うのです。そうしなければいけない状況だったのでは、と。この歴史が描かれているのは二百年前。描かれているのは酒癖の悪い父と脅かされる母と子供。子供は親を亡くした、父は自ら殺した、そう書かれております。もし父が、酒癖で母を殺してしまったのなら、そして自分も殺されそうになったのなら、そのような可能性もあるのではないのでしょうか？』
グルッペンはただ静かに話を聞いていた。鬱ともう一人の彼の友人は驚いたようにこちらを見ていた。
『人間は防衛機能が存在します。もし自分が殺される、そんな状況に陥ってしまった場合、人間は生きることを選択します。それが、相手を殺すことになってしまっても。だから父を殺してしまった。そして彼は現実逃避のために薬に手を出す、数々の名作を残して死んだのは中毒死が原因とも書いてありますから、そのようになってしまった可能性もあると思うのです。』
意見をし終えると周りが静まり返った。間違った事を言ったのか？いやでも、意見を言うのは大切だ。あとグルッペンの説明は少し強引すぎた。それでは説明が出来ない。誰にも聞こえない言い訳でなんとか平静を保つ。
「そうか。お前は、ちゃんと否定してくれるのか。」
なに、どうした？グルッペン壊れた？なんかブツブツ言ってるけど何があった？怖くなってコネシマの袖を引いた。
『私、何か間違えた？』
「大丈夫やと思うで？」
小声で話すがグルッペンが気にしている様子はない。何か考え込んでいたので紅茶を飲もうとしたら手を掴まれた。
「気に入った！初めてだ！後ろにいる二人と父様以外で反論してきたやつは！」
嘘だろ…。子供の頃の描写見たことあるけど大人によく囲まれてなかった？その一人ですら、反論しなかったの？
「この本のこの描写についてだが」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 621人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
loW(プロフ) - 兎さん» それについては前にもご指摘されたことがあります。その時にも実際に確認した所、内容が酷似する所があり、幾つか修正致しました。結論としましてはパクリではありません。ご友人の方にオススメして下さったのに、大変申し訳ございません。 (2023年1月21日 8時) (
レス) id: ae4054d4f7 (このIDを非表示/違反報告)
兎 - （続き）たしかに内容が酷似していました。たまたまだったり参考にしただけと言うにはあまりにも似すぎています。ほんとうにパクリなのですか？ (2023年1月21日 7時) (レス) id: 05be321f09 (このIDを非表示/違反報告)
兎 - lowさんの作品、いつも楽しく拝見させていただいてます。この前、友人にこの作品を進めたところ、「pixivで掲載されているwrwrd！の二次創作『もしかして:悪役』のパクリ」と言われてしまいました。実際に読んでみたところ (2023年1月21日 7時) (レス) @page22 id: 05be321f09 (このIDを非表示/違反報告)
loW(プロフ) - ピット☆さん» 教えて頂きありがとうございます。youtubeをコピーし、Googleで検索したところきちんと出てきましたが、こちらの不手際が原因ということもあります。早急に貼り直したいと思います。 (2022年10月29日 17時) (レス) @page49 id: ae4054d4f7 (このIDを非表示/違反報告)
ピット☆(プロフ) - 同様に飛ぶ事が出来ず、動画投稿のツイートからやっとyoutubeのチャンネルページ等に飛べましたのでもしかしたらURLを貼り直す方がいいかもしれません💦 (2022年10月29日 11時) (レス) id: 9c7661f737 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：loW | 作成日時：2022年9月29日 19時
