第二十五話「顔も知らない婚約者」 ページ26
グルッペン 視点
憂鬱だった。
生まれた家が位の高い貴族の家だと言うことは知っていた。特に不自由することなく、今まで暮らしてきた。望めば何だって手に入れた。そういう家だったから。けれど、俺に将来の夢なんてない。生まれた頃から進路は決まっている。
だから、それまでは多少自由に生きる事にした。
まず手始めに一緒に価値観を語ることの出来る友人が欲しかった。だから頼んで同じ貴族の子供を二人用意してもらった。彼らとは充実した討論会が出来たのでまあ良しとしよう。これなら大人になっても退屈しないと、そう思っていたのだ。
父からあの話を聞かされるまでは。
「お前には婚約者がいる。一ヶ月後に会ってもらうからそのつもりでよろしく頼む。夜には帰る。」
父とは元々あまり話すほうじゃなかった。けれど久々の会話が結婚相手の事になるとは誰が思うだろう。
しかも相手はあのシャーロット家の娘らしい。最近は特に何も聞かないが少し前は横暴だの我儘だの色々聞いていた。そんな奴と将来を共にするなんて、真っ平ごめんだ。
「グルちゃんどうしたん？」
『いや、なんでもない。それより鬱、お前今度の休暇はどこに行くんだ？』
「んー、久々に街回ろうかなって」
いつもそばに居る二人に休暇を与えた。その間に令嬢のことについて考えなければならない。
会うまで二週間。父から直々に何かが包まれた紙袋を受け取った。曰く、婚約者からの贈り物らしい。こういうのは珍しいと思った。しかもこんな、貧相なプレゼント。初めてだ。
『本…？』
中には数冊の本と手紙が添付されていた。本のタイトルは見たことがあった。昔に読んだことのある兵法書と歴史書だ。確かに俺が好きな部類のものだった。手紙は前半は在り来りな挨拶などが書かれていた。しかし後半は違った。
【兵法書と歴史書がお好きだとお聞きしました。送らせて頂きましたものは私が読んだ中でも特に気に入ったものです。お時間がある時にでもお読み下さい。貴方と語らえる時を楽しみにしております。】
似たようなことは他にも沢山見てきた。しかしどれにも媚びたような文が付属のように書かれていた。けれどこれは、どこにも媚びるような文は書かれていないし、自分が好きな本を送られてきたのも初めてだった。
これは「フューラー家の嫡男」ではなく「グルッペン」に送られてきたものだと、そう思った。
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loW(プロフ) - 兎さん» それについては前にもご指摘されたことがあります。その時にも実際に確認した所、内容が酷似する所があり、幾つか修正致しました。結論としましてはパクリではありません。ご友人の方にオススメして下さったのに、大変申し訳ございません。 (2023年1月21日 8時) (
レス) id: ae4054d4f7 (このIDを非表示/違反報告)
兎 - （続き）たしかに内容が酷似していました。たまたまだったり参考にしただけと言うにはあまりにも似すぎています。ほんとうにパクリなのですか？ (2023年1月21日 7時) (レス) id: 05be321f09 (このIDを非表示/違反報告)
兎 - lowさんの作品、いつも楽しく拝見させていただいてます。この前、友人にこの作品を進めたところ、「pixivで掲載されているwrwrd！の二次創作『もしかして:悪役』のパクリ」と言われてしまいました。実際に読んでみたところ (2023年1月21日 7時) (レス) @page22 id: 05be321f09 (このIDを非表示/違反報告)
loW(プロフ) - ピット☆さん» 教えて頂きありがとうございます。youtubeをコピーし、Googleで検索したところきちんと出てきましたが、こちらの不手際が原因ということもあります。早急に貼り直したいと思います。 (2022年10月29日 17時) (レス) @page49 id: ae4054d4f7 (このIDを非表示/違反報告)
ピット☆(プロフ) - 同様に飛ぶ事が出来ず、動画投稿のツイートからやっとyoutubeのチャンネルページ等に飛べましたのでもしかしたらURLを貼り直す方がいいかもしれません💦 (2022年10月29日 11時) (レス) id: 9c7661f737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：loW | 作成日時：2022年9月29日 19時
