34.ガールフレンド・エクスペリエンス ページ35
「Aが仕事の事で僕との関係に躊躇している気持ちは分かる。実際、もし付き合ったら僕の実家の事で苦労をかけるだろうし猛反対も食らうと思う。それに、忙しくて寂しい思いをさせてしまうかもしれないし。」
大きな窓に映る、東京の煌びやかな夜景に照らされながら
悟くんが私の目をじっと見つめて淡々と話す。
「でも、Aといればいるほど好きって気持ちが大きくなるんだよね。こんな事思ったのは初めてなんだ。」
そう言い切った彼は
店員にアイコンタクトを取る
「…返事はいつまでも待つよ、今はまだ現状維持でいい…からさ。」
そうボソッと呟くと
戻ってきた店員が小さな箱を悟くんに渡した。
一眼見て分かった。
「僕と結婚前提に付き合って欲しい。」
そう言って小さな箱を開けると
綺麗な宝石のついた指輪が現れる
「…悟くん」
「あー、返事は本当に1年先でもいつでもいいから。ただ、Aの気持ちの整理がつく時まで持ってて欲しい。流石に死ぬ前には応えて欲しいけどね。何かないと、Aがすぐいなくなっちゃいそうで、縛ってたいのかな。」
真剣な表情からハハハ、と
少し困ったようなおちゃらけてるような
なんとも言えない表情になる悟くん。
「とりあえずさ、僕の気持ちに応えてくれるってなったら指輪、つけさせて。それまでは持ってて」
箱を閉じて私の前に置く。
ここまできても、まだ返事を出せない私に嫌気がさす。
悟くんのことを好き、なのは確かだ。
ただ、風俗嬢になる。と決めた時点で
恋愛をすることは諦めていた。
相当な覚悟を持って業界に飛び込んだというわけでもないけれど、
沢山の男性を見てきて
沢山の男性と関係を持ってきて
対価として人よりも少し多い給料を手にして来たから
恋愛をする資格などない、
いつかはこんな私をきっと嫌になる
悟くんまで不幸にしてしまう
悟くんを犠牲に幸せになる資格などない
風俗から足を洗っても
この数年は消えない
と幸せな気持ちになるほど
自己嫌悪にのまれてしまう。
きっと風俗嬢の宿命だろう
普通の女の子のままだったら
こんなに躊躇いもなく悟くんと幸せになってただろう
そんな気持ちも汲んで
悟くんは待つと言ってくれていて
本当に本当に不甲斐ない
初めて
自分が風俗嬢だと言うことを後悔した。
1160人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「呪術廻戦」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
のんのんた(プロフ) - タイトルに衝撃を受け、気ままにタップして拝読させていただきました。本当に面白くて一気に読んじゃいました…。またリピートして一話から読みます…本当に天才的で大好きです…。すこ…何もかも…すこぃ…大好きだ…。 (2022年12月9日 3時) (レス) id: a4f760f5fa (このIDを非表示/違反報告)
tynyan0405(プロフ) - はじめまして。更新を楽しみに読ませて頂いております。私も作者様と同じ東北の出身です。この作品の主人公が仙台だったので、きっと作者様も仙台にお住いなんだろうなと思っていました。応援してますね。お互い頑張りましょう。 (2022年3月17日 21時) (レス) id: a6f3eb729d (このIDを非表示/違反報告)
藍咲 零 - 五条先生が甘々になってんのすごいいい。次も早く見たいです。 (2022年3月16日 20時) (レス) @page31 id: c2f2f889ad (このIDを非表示/違反報告)
かな - 内容はもちろんですが、エピソード名が好きな映画作品ばかりで嬉しいです!!これからもたのしみにしています! (2022年3月16日 17時) (レス) @page31 id: bbaf3f1256 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2022年3月15日 23時) (レス) @page28 id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:そふぃあ | 作成日時:2022年3月14日 5時