風○行ったら彼女が出来た話【五条悟】

33.コラテラル ページ34

お店を出るとタクシーに乗る。


「どこ行くの？こんな綺麗なドレス、初めて…」

「お腹すいたでしょ？ご飯食べよ」

「こんな格好で？汚したら大変だよ…」

「Aもしかして、ちゃんとした店行ったことないの？」







そう言って笑う悟くん。








「ほらみて、もうすぐ着くよ。あそこ、スカイツリー」


窓の外を見ると沢山の高いビルの隙間から見える
青白い光でライトアップされたスカイツリー。


「スカイツリーだ…！」


初めて観たスカイツリーへの反応に
タクシーの運転手さんも、
「どこから来たんですか？」
と笑う





悟くんも
「仙台ですよ、僕は違うけど。田舎もんなんですよ〜」
と茶化しながら言う。







と、他愛もない話をしてついたのは
スカイツリーではなく高層ビル。


悟くんにエスコートされ
エレベーターで最上階まで行き
連れて行かれたのはスカイツリーの見える
ホテルのディナーだった。








「…すごい、綺麗」


すっかり暗くなった東京の夜景は
仙台の夜景とは比べものにならないくらいキラキラしてて、そこにドンとそびえ立つスカイツリー。


「どう？気に入った？」

満足気にニヤけながらそういう悟くん



「…うん。本当、今日一日楽しかった。悟くん王子様みたい」

お店のゴージャスな雰囲気に呑まれているのもあり
思わず本音が出てしまう

「…僕に惚れちゃった？」

ニヤリ、と笑う悟くん

「…もう惚れてるよ。」

そうはぐらかすように言うと
一瞬ハッとする彼






大きなお皿におしゃれに盛り付けされた
フレンチのコース料理はどれも初めて食べる味で
マナーなど習ったこともない私は
すごく緊張しながら食べた。





「…あれからさ、僕も何回も考えたよ。どうしたらAが仕事を辞めてくれるか。僕と付き合ってくれるか。」


飲んでいたシャンパンがまわり
ほろ酔いし始めた頃
悟くんが真剣な表情になって口を開く。

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