風○行ったら彼女が出来た話【五条悟】

30.50回目のファースト・キス ページ31

「今日は恋愛映画DAYでぇ〜す！」

「いぇーい！！！」



じゃーん！と、
持ってきたDVDを広げる。







東京に来てから5日が経った。
あれから悟くんは家にも帰ってきてないし
ここにもきていない。


本当に忙しいんだ、と
実感させられる。







「タイタニックじゃん！観てみたかったんだよねぇ」

広げたDVDをまじまじと眺める悠仁くん





「悠仁くんは運命って信じる？タイタニックはさ、出会って数日しか経ってない見ず知らずの人に恋をして、その人を助けるために死ぬんだよ。考えられる？」

「うーん、恋愛をした事がないからなんとも言えないけど、俺は伏黒と釘崎を助けるためなら死ねるかな。まだ2人と初めて会ってから数日しかたってないけどね………ってAさんもサラっとネタバレすんじゃん！」



勘弁してくれよなぁ〜、と
困った表情で言う悠仁くんに

ごめんごめん、と謝る。






「Aさんはさ、五条先生のことどう思ってんの？なんか五条先生がAさんにぞっこんって感じだよなぁー。」

「好きだよ、とってもね。自分でもびっくりよ、ホント」

「じゃあなんで付き合わねぇの？」

「うーん、まあ色々あるんだよね。大人の事情ってやつかな」

「ふーん、そういや最近五条先生見てないなぁ〜」






と私のスマホがピロン、と鳴る


『明日休み作れたから今日の任務終わったら悠仁の所行くねぇ〜！今日は一緒に寝て明日スカイツリーでも行こうよ！』

なんとも言えない憎たらしい表情のキャラクターのスタンプと一緒に送られてきた悟くんからのLIME。








「今日来るって、悟くん。タイムリーだったね」

「おっマジ！五条先生忙しそうだよなぁ〜謎だよなぁほんと。ねぇ、先生ってAさんと2人だとどんな感じなの？」

「うーん、あんま変わらないと思うよ。あーでも悠仁くんたちといるよりちょこっとだけ落ち着いてるかも。大人っぽい？かな」

「へぇーみてみてぇなあ、Aさんにベタベタな五条先生。うわぁ想像つかねぇ〜！」




どんな想像をしてるんだろう、と
思わずクスリと笑ってしまう







「さぁ、早く見よ。身分の違う男女が船の上で恋に落ちて、彼女を守るためにレオ様が死ぬ映画」

「応！」




何回も観た映画のはずなのに
今日みたタイタニックは

何故か初めて観るような
違う映画に思えた

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