28.世界一キライなあなたに ページ29
五条side
ご飯を3人で食べた後一緒に家に帰った。
「楽しかったね」
そういって笑うA
「ホント、来てくれてよかった。」
「そんな、映画観るだけなのに。こんな広くて立派なおうち使い放題だし」
ハハハ、と微笑する彼女はどこか切ない表情になる
「でさ、いつまでいればいい?期限がないといつまでもいてしまいそうで。」
そう下をうつむきながら言う
いつまででもいてくれていいのに。
そう思っているし
少しこのまま付き合って同棲、ってならないかと
期待している自分がいる
きっと彼女にも思うことがあるんだろう
「うーん、一応2か月後、姉妹校との交流会があってさ。それまでは悠仁が死んでいることにするつもりだよ。僕としてはいつまででもいてくれていいんだけどね」
そっかとだけつぶやいた彼女は
少し沈黙した後
「わかった、1か月にする。今日からちょうど1か月後に仙台に帰る。お店にも連絡しないと。」
と言い僕の手を握る
1か月、という長いようでとてつもなく短い有限の時間
この間にどれぐらい彼女と一緒に過ごせるだろうか
「はぁ...短いなぁ。」
そうため息をつきAを抱きしめる
「ため息なんかついてたら幸せ逃げちゃうよ、ほら、吸って!」
僕の吐いた空気をかき集めるようなしぐさをする
「おばあちゃんかよ」
ケラケラと笑う彼女の笑顔に吸い込まれそうになる
「そういえばさ、私は元カレの話したけど悟くんは?」
「いないよ、今まで付き合った人はひとりも。前に言ったじゃん。僕の人生初の告白って。初恋だよ、ほんともう敵わないよAには。」
「えぇ?告白したことはなくても、そんなことないって思ってた。女癖わるそうだし。」
「ひっどいなぁ〜、まあ告白されたことはあるよ何度もね。」
「ふーん、悟くんの告白DTも初恋も奪っちゃった」
嬉しそうにニヤける彼女に
なんで付き合ってくれないんだよ、と心の中で突っ込む
「A、好きだよ。ほんと、知れば知るほど好きになる。どうしてくれんのさマジで。すぐどっかいってしまいそうで、消えてしまいそうで怖いんだよ」
柄にもなく弱音を吐いてしまった。
僕には信頼できる仲間がいる。
七海に伊地知
高専の生徒達だってそうだ
僕は今は孤独なんかではない。
けれど、呪術という切れないしがらみにとらわれてて
強くいなくてはいけない
弱いところを見せてはダメだと
無意識に壁をつくっているのかもしれない
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のんのんた(プロフ) - タイトルに衝撃を受け、気ままにタップして拝読させていただきました。本当に面白くて一気に読んじゃいました…。またリピートして一話から読みます…本当に天才的で大好きです…。すこ…何もかも…すこぃ…大好きだ…。 (2022年12月9日 3時) (レス) id: a4f760f5fa (このIDを非表示/違反報告)
tynyan0405(プロフ) - はじめまして。更新を楽しみに読ませて頂いております。私も作者様と同じ東北の出身です。この作品の主人公が仙台だったので、きっと作者様も仙台にお住いなんだろうなと思っていました。応援してますね。お互い頑張りましょう。 (2022年3月17日 21時) (レス) id: a6f3eb729d (このIDを非表示/違反報告)
藍咲 零 - 五条先生が甘々になってんのすごいいい。次も早く見たいです。 (2022年3月16日 20時) (レス) @page31 id: c2f2f889ad (このIDを非表示/違反報告)
かな - 内容はもちろんですが、エピソード名が好きな映画作品ばかりで嬉しいです!!これからもたのしみにしています! (2022年3月16日 17時) (レス) @page31 id: bbaf3f1256 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2022年3月15日 23時) (レス) @page28 id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:そふぃあ | 作成日時:2022年3月14日 5時