【銀魂】終焉まで貴方と ー続ー【虚】【吉田松陽】

18話目 ページ18

ー朧side

虚様が戻ってきたからだいぶ時間が経ち、俺の体も限界に近づいてきた。

ｹﾞﾎｯ！！ｶﾞﾊｯ！！

しゃがみこみ酷く咳き込むと、掌に生暖かいものが吐き出された。

それは赤黒く、確実に俺に近づく「死」を表していた。

「朧…？」

よく聞き覚えのある声にハッとし、慌てて右手を隠す。

こいつにだけは見らるわけにはいかない

こいつにだけは心配をかけるわけにはいかない

「朧、貴方もそろそろ……」

「ご心配なく、貴方の目的は私が必ず果たさせてみせます故」

虚様がこの星を滅ぼそうとしているのは俺と虚様2人の秘密。

俺が近いうちに死ぬことも俺と虚様2人の秘密だ。

「お前も心配するな、風邪が長引いただけだ、心配してる暇があるなら仕事をしろ」

「ちゃんとしてるし！！」

心配そうに沈んでいた表情をコロッと変えて反論するAを見て微笑む。

こいつに出会えて俺は幸せだ。



一瞬浮かんだ

「まだ死にたくない」

という考えに、俺は拳を強く握りしめた。

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