【銀魂】終焉まで貴方と ー続ー【虚】【吉田松陽】

16話目 ページ16

ー虚side

私がAに告白してから、
Aに全てを委ねてからだいぶ時間が経った。

できるだけ周りに知られぬよう隠しているつもりだが、感の鋭い朧には気づかれてしまったようだ。

……まぁ、だからといって特に何も無いのだが。

最近は深く物事を考えることが多くなった。

前までは地球を壊し自分も死ぬことしか考えていなかったが、それをしてしまうと愛しいAの事まで巻き込むことに気がつき、迷っているのだ。

かと言って、生きるのは嫌だ。

このまま生きていればいずれAは死ぬ。

私の血を与えたとしても、化け物の血は化け物にしか馴染まない。

人間のAは、化け物の血に体を蝕まれる苦しみを味わい、いつかは死んでしまう。

そんなの嫌だ。

取り残されたくない、1人になりたくない。

どうにか1人で死ぬ方法は無いのか。

考えても考えても思い浮かばない。

やはり地球を壊すしかない。

だが、その事をAに打ち明けることは出来ない。

嫌われたくない。

「私らしくもない」

フッと自分を鼻で笑ってみるが、心の底に渦巻く孤独への恐怖は消えない。

こういう時はいつもAを抱きしめ心を落ち着かせているが、今日Aは江戸へ行っている。

江戸

江戸へ何をしに行っている？

誰かに会っているのか？

だとしたら誰だ。

男か？

心の中に湧いてきた黒い感情は瞬く間に全身に広がった。

「ほかの男と笑っている貴方なんて、見たくありません」

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