Pure Love (ページ10)

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Aside

私たちのカムバが決まった。
それは3月15日。周辺には素晴らしいグループもカムバックすると発表されているのを見たが、今回ももちろん目指すのは1番だ。音楽番組での1番は、有難く頂く機会は多い。だから、今回は大きく目標にしているのは音源の1位である。

「A、どうしたの？」
『ダリア…』

作業部屋で1人、中々納得のいかない部分があったからすぐさま修正しようと、こもっていた最中にダリアが入ってきた。

『なんかね、ちょっと決まらない部分があって』
「分かった。ここでしょ？」
『…そう！なんで分かったの？』
「振り合わせしてる時も、Aそこのパートになると振りが弱くなるもん」
『さすが、ダリアにはお見通しだね』
「もちろん。あなたもでしょ」

ダリアと私は長い間一緒に練習生をしながら、絆を深めてきた。そして、生まれ年も同じだから余計に話をしやすいメンバーである。私のこともよく理解している。

「でもさ、Aの作るものって全て美しいし、かっこいいから私なら全部満足しちゃう」
『そんなことないよ。今回こそはって思って作ってるし』
「もー！！謙遜しないでよ！！天才！」

ダリアは私のほっぺを抓った後、頭をワシャワシャとしてくる。
考えすぎると、いい案は生まれない。とりあえず、次回に修正は任せることにして他の2人がいる練習室へと向かい、合流する。

「オンニ、疲れたでしょ？」

はい、と言ってカンナがドリンクを持ってきてくれる。しかも、私の好きな抹茶ラテだ。

「オンニはどんな激しいダンスしてもこんなに甘ったるい抹茶ラテを飲むのはどうしてなの。私なら受け付けないわ」
「この子、特殊だから笑」
「えー、美味しいじゃん。抹茶大好き」
「私は歳だからキツいわ」
「スハオンニ、1歳しか変わらないよ笑」

こうやって笑い合えるメンバーは優しいしとても大好き。
皆して寝っ転がって笑い合う。
…思いついた。それに、私たちならきっとできる。

『みんな、次のカムバ、ちょっと特殊なことしていい？』
「なになに」
「Aの考えることなんて楽しみでしかないよ」

『えっとね…』

次のカムバ、私たちは気合を入れて望む。