Pure Love (ページ8)

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7ステージページ8

Aside

あれから、カムバで被ることはまだ無かった。
年末の授賞式ラッシュとなっている今、もちろん私の所属しているデイズと、ジェノさんの所属するNCT DREAMは同じく出席することも多かった。

けれど、彼は言っていた通り連絡先のれの字も出さなかった。

挨拶をすることはあっても、個人的に会う機会など到底ありそうになかった。
私は、今からもう次のカムバや、有難いことに楽曲提供の話も舞い込んできて、曲作りの為に皆より早めに現場から離れることもあったし、ジェノさんも海外スケジュールが立て込んでいたように耳に入っていた。お互いに忙しいように感じた。

といっても、1回だけ廊下ですれ違った時があった。

こんなに授賞式で会うのに、離れていても目を合うことは少ないし、何も動きがない。もしかしたら、嘘だったのかもしれない。そう思っていた私だった。

ちょうど、1人でトイレに向かおうとして歩いていると、彼は反対側から歩いてきた。

ちょっと、気まずい……と思いながら、「お疲れ様です」
と声をかけると、

耳元には生ぬるい気配と共に言葉が囁かれた。

JN「まってて」

って。少し口角を上げて、彼はまるで何も知らないかのように歩いていった。

『……、』

少しだけ、彼の言葉を信じてみようかな、なんて心の片隅には思ってしまった。