Pure Love (ページ7)

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Aside

「ジェノオッパ。いいじゃないですか、この後ご飯行きましょう？」

JN「ごめんね。今日はこの後用事があって…」

「じゃあ番号教えてください、そしたらいつでも連絡できるもん」

JN「ごめんね。今は忙しくて。」

「…ふん。私を断るなんて、！」

………。
さっき、ハンカチをくれた人の名前を、ナンパされてる風景で知るなんて。
こんな知り方はしたくなかったな……。

この1年で、ナンパでの断りをあんまり見たことがなかったので意外だな、というか新鮮だな。という感情が立ち込めた。

呆然としていると、声をかけられていたことに気づく。

『ハンカチ、次いつ会うのか分からないので』

と言って、彼の手元にハンカチをおいやる。
ごめんなさい、洗えなくてという言葉も付け足して。

一瞬、破顔していた彼だったが、大型犬のように目を細めて、笑うのだった。

JN「はは笑じゃあ、いつを返すか教えてよ。ダメ？」

スマホを取りだしたので、反射的にその手を退けさせてしまう。

『ごめんなさい、癖で…。でも、良くないと思う』

わ、これだと誤解されちゃう。

『ちがくて。あなたのことが嫌いな訳じゃなくて、優しい人なのは知ってます。ありがとうございます、助かりました。でも、まだまだ私は未熟で……』
JN「わかった。伝わったよ。顔、上げて？」

顔を上げると、真剣な顔をした彼がいた。
思ったより顔が近くにあったので反射的に逸らしてしまう。

JN「じゃあ、待ってる。次のカムバが……重なったら。その時、もしまた合ったら。そのハンカチを返して。そして、僕と連絡先を交換してくれる？」
『次のカムバって、いつなのかもわからない…』
JN「そうだよね。でも、それまで待ってる。」

そんなことを言う彼なら、信じられそうな気がした。

『分かりました。私も、ハンカチを返せるように頑張ります』
JN「うん、授賞式で会っても…聞かないから」

『待ってます。ジェノさん』

ジェノ、さん。
彼が、私がはじめてナムジャアイドルに親近感を持った人だ。