Pure Love (ページ41)

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あの後ダリアに伝えると「良かったねぇ」とすごく喜んでいた。
まだ他のメンバーには伝えてない。
メンバーを信用してない訳では無いんだけど、リスクは最小限に抑えておきたいとの考えから。

最初こそ、付き合ってるといっても私が意識しすぎて、余裕のあるジェノさんに笑われてしまっていたのだけど。余裕のある、と言っても彼もそこまで恋愛経験豊富というわけじゃないから、お互いに探りあって交際してきた。

あの思い出のカフェで過ごす時間はほとんどだったが、付き合って1ヶ月もすれば、他の場所でも会ってみない？なんてなり、初々しく人目のつかない公園だったり、川の近くに行ったり。

3ヶ月もすれば、私の秘密の作業室に招待した。
私の普段のアジトに、ジェノさんは興味深かったみたい。

「ていうか、僕ようやく過ぎない？」
『ようやくって？あぁ、ここに来ること？』
「…付き合ってもないのに、アイドル何人か入ってるよねぇ？」
『…嫉妬？』

そりゃあ自作アイドルの作業室なんだから、自作する者同士は作業室で作業しなくてどこでするの。と言いたい言葉は念の為口に出さないでおく。
その前に、そんなことに嫉妬している彼が可愛くて笑ってしまう。

「笑わないでよ。あの時、ハルトさんと絶対距離近かったよね。CUBEだって大きな事務所なんだから設備整ってるでしょ？こんな狭いとは思わないし」
『確かに狭いけど、そーんなくっついて作業しないよ？』
「もー、そういう問題じゃなくって」

きっとジェノさんはこんな密室にいたことが嫌だって言いたいんだろう。しかもその時私達はお互いの気持ちに確信が持てる状態じゃ無かったしね。

『ハルトくんは私からしたらホントに弟だったのに』
「Aはね？でもあっちは違ったでしょ。……あ、こんな狭い作業室にいるんだから、僕達もっと近づかないと」
『な、何を急に思い出したようにっ』

ニヤニヤと近づいてくる確信犯は、この狭くて少し薄暗い作業室を楽しんでるかのようだ。
自分のテリトリーに、こうやって好きな人が入ってきてるだけで少し照れくさい。
確信犯は、動く椅子に乗って、『Aちゃ〜ん』と呼びながらガラガラと私のそばに寄ってきた。

『なんか変な感じ…』
「ん、いけないことしてるみたいだね」

そう言って私のことを後ろから抱きしめてくる。誰かに抱きしめられることが、こんなにも心が落ち着くなんて思わなかった。