Pure Love (ページ5)

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4ステージページ5

Aside

先週は、私の誠実(風な)態度おかげで、相手も諦めてくれたみたいだ。
今週は、1位候補であることもあって、気合いが入っているから無駄なことに時間は割きたくない。
イヤホンをし、なるべく外との距離は遮断し、ステージへと向かった。

「Aオンニ？ねぇ〜、NCTのメンバーと連絡先を交換するにはどうしたらいい？ねぇ」

というような男大好き、マンネカンナの声は入りさえしない。

「1位は！デイズです！！」

この声と共に、私たちはアンコールを行った。

『Years(ファン)のみんな、ありがとう…』

「オンニ！おめでとう！」
「何を言ってるの？みんながおめでとうなのよ」

そう言って4人全員が集まってハグをした。
みんなで頑張ってきたから、みんな、ポロポロ泣いていた。

初の1位だった。
私が事務所から反対されながらも、ソヨンオンニに相談して、試行錯誤を繰り返した曲だった。
大衆に好かれなかったらどうしよう、このメロディーは大丈夫かな、ダンスの振り付けは流行るかな……色々考えて考え抜いた結果の作品。

世に認められた気がした瞬間に、私は涙をこらえた。

Aのイメージを崩したくない。涙は堪えるんだよ、と事務所から言われた言葉が胸に引っかかる。

*

ここなら、誰もいない、よね。

『…っ、ひっく、』

頑張ったよ、私。
日本にいるお母さん、お父さん、見てるかな。
日本を離れて6年目。5年という長い練習生期間は地獄も多く感じた。
けど、夢のためならと思って頑張ってきた。
初の1位のために、食事も大好きな唐揚げはカムバ準備を始めた日からずっと我慢してきた。

ひとりだから、泣いてもいいよね。

下を向いて、しゃがみこんで、泣いた。嬉しさと、苦しさが混じりあった涙は小さな手では受け止めきれず、視界が滲んでいく。

コツン

この音で瞬時に体が反応する。
誰かがいる。咄嗟に、見せては行けないと思ったけれど、涙は止まらない。顔だけは見せまいと下を向いたまま。

「いいよ、……泣いても」

誰かの、優しい、声がした。