Pure Love (ページ35)

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ジェミンside

社員さん達がざわめいてる。なんの事だろう、と思いながら練習室を行き来していると、慣れない顔が。

名前を呼んで声をかけると、俺の事を指さしてジェ、ジェ、ジェ…とずっと言ってる。
いや、あなたね。ジェ、ってジェノもジェだから。
と思いながら。

どうしたのと聞けば打ち合わせがあると言っていた。
多分ウチじゃないからエスパかな、と思ったらその後通りすがったニンニンが言ってた。「デイズ来てるよ！」ってね。

そういえばジェノ、なんも言ってなかったな、と思った瞬間にあ、もしかしてサプライズ？なんてナナちゃんのいらぬ勘が働いちゃった。

「あ、ジェノには…黙っとくね」

『な、』と言って固まる彼女の姿を見て思わず笑みがこぼれる。A、中々可愛いところあるじゃん。

しかも、そういえばまだ2人が実際に喋ってる場面はあんまり見た事がない。実感がないからちょっと変な感じ。
A来た時のジェノの反応見たいな〜。
駆け足で練習室へと戻った。

練習室へ戻ると、IVEメンバーが寄ってくる。コラボステージに向けて練習する機会が取られているのだが、正直練習中も必要以上に絡んでくる。
特に俺とジェノ、あとマクヒョン。
ジェノは躱そうとしている姿が見えるが、相手もなかなかしぶとい。これでジェノにほぼ界隈で公認のような相手が居れば諦めもあったのかもしれないけど、そもそもAとは付き合ってすらない。
さっきのAを見たら、こっちからしたら早くしろよって感じなんだけど。

ジェノの腕に絡めながら、筋肉まで触ってる。あぁ、もしこんなのをAが見たら……と思った瞬間に、冬子の声が聞こえる。あぁ、ダメだって。

僕は頭を抱えた。隣のいたIVEのメンバーなんて知る由もない。A、誤解なんだって。って、なんで僕が弁明してんのよ。

ショックを顕にして逃げ出した彼女に同情しながらも、バレバレだよ、どっちも。ジェノはジェノで状況が分からさそうにパチパチパチ、と目をぱちくり。

仕方ないな。ナナちゃんの出番としますか。

JM「ジェノや、追いかけろ」
JN「へ？」
JM「Aを！早く！」

こくり、と頷いたジェノは腕を邪魔そうに解いて体を翻し、駆け抜けた。周囲の皆の頭にはハテナがたくさんに飛び交う。