Pure Love (ページ33)

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スカウトされて面談に来たぶりのSM。私たちの会社より何倍も大きくて近代的な建物は少し緊張する。

「あ、Aちゃん」
『えーっと、ジェ、ジェ…ジェ、』
「ジェミン、ね笑」

ジェミンさん、に声をかけられた。いや、ジェノさんから聞いてるから覚えてるはずだったんだけど。ジェミンさんに声をかけられるなんて思ってもなくて、ド忘れしてしまった。

「いきなり話しかけてごめんね笑ここで見るなんて！どうしたの？」
『あれ、ダリア？あ、打ち合わせがあって。』

いつの間にかいなくなった頼み綱の相方を恨む。

「あー！もしかしてエスパ？なんか言ってたかも。ゆっくりしていってね」
『はい、ありがとうございます』

思ってたよりフランクな人なんだな、と思いつつやっぱりアイドルだなというキュートな笑顔を振りまいていた。
彼はそういえば、と言いたそうに立ち止まって振り向いた。

「あ、ジェノには…黙っとくね」

ふふ、と笑ってジェミンさんはいなくなってしまった。
今までこうやって個人的に挨拶したことがなかったから、まさかジェミンさん側から挨拶してくれるなんて何があったんだろう？と思ってたけど、知ってるとは思わなくて。

でも、私がダリアに話してるようにそりゃ仲の良いジェミンさんは知ってるかもな、なんて思った。

「ちょっと！A！そこで待っててって言ったじゃん！」
『ちょ、エリ、、痛い』

あの後レドベルの大ファンによりレドベルオンニを探しまくってたダリアと合流し、エスパが待っている所へと入ると速攻で私達の元へと群がってくる。

「ちょ、難しい！」
『わっ、すご』
「これAたち歌いながら踊ってんの？やばくない？」

などお互いのカムバ曲への難癖をつけながら終わらせた流行りのtiktokチャレンジ。最近はお互いの事務所を行き来して撮るようなこともあるらしく。仲の良い私達は音楽番組では被っていないものの、事務所でのやり取りをしてこうやって実現した。

『あ、あのさ。ドリム先輩って今日いる？』
「え？ドリム先輩？珍しいね」
『ま、まあ』
「オッパたちいると思うよ！あそこの練習室で練習してるはず。私達案内するよ！」

と冬子とニンニンからの申し出で、私は練習室へ向かうことに。
終始不安はあるけど、ジェノさんの驚いた顔と嬉しそうな顔が見れるかな、と思ったから勇気をだして聞いてみた。

「失礼しま〜す、オッパ達に来客だって」

冬子が声をかけてくれてドアを開けると…