Pure Love (ページ4)

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3ステージページ4

ジェノside

無事にステージが終わり、トイレに行こうと廊下へ出る。

「すみません、それはちょっと…」
「いいじゃん、連絡先くらい」

……ナンパか。
音楽番組は絶好のアイドル同士の触れ合いの場と言ってもいい。こういうようなナンパはよく見かけてきた。
女性側が乗り気じゃないのも珍しいな。

と思って、知らないふりをしようと踏み出した。

『ごめんなさい。今は集中したいんです』

顔の前で手と手を合わせて、深くお辞儀をしながら断る彼女は＿＿デイズの、Aだった。
それを悟った瞬間に、一瞬の隙で僕の足が止まった。

「…わかったよ。言っても無駄だね」

ナムジャアイドルは諦めたようだ。
やべ、気づかれる。すぐ様に知らないふりをして隠れた。

意外だった。

あの子って、あんな感じなんだ。

僕のイメージは2つあった。
ひとつは、あの美貌なんだから、モテることは分かっているはず。男友達もたくさんいて、誘いにはグイグイついていくような肉食女子。
もうひとつは、まさに、かっこいいお姉さん、というような……まるで相手にしてません、っていう突き放すような態度。

彼女の態度はどちらでもなかった。

僕の中の彼女のイメージは、まだ固まらない。
けど、悪い子では絶対にないってことだけは分かった。

奥が深い彼女のことをもっと知りたい。
そう思ってしまった。