Pure Love (ページ28)

今日:34 hit、昨日:129 hit、合計:228,697 hit

27ステージページ28

ジェノside

「あんた、さっきから調子乗りすぎ。人気者だからってしていいことあるでしょ」

またこういう場面に遭遇しちゃったか。
正直ウンザリだな、と思いながら逃げ場もなく影に隠れる。

「男にだってどうせ色仕掛け使ってるんでしょ？ガード固いのはフリだけなのね」
「A、Aってどのアイドルも言ってるのはどういう仕業？あんた何かしてるんでしょ？」

Aの名前が出た瞬間にゴクリ、と唾を飲んだ。
嫉妬されたり、嫌な感情を向けられるのはそりゃあるだろうなぁなんて思う。だって彼女は完璧だから。
でもこんなこと言われたら、いても立っても居られない。僕は反論すべく出ていこうとしたその時。

彼女は顔を上げた。

『これが主人公なら、私が男に頼るような女なら、ここで助けに来る男がいるんでしょ。けど、私には来ないでしょ？私の問題だから、1人で解決するの。』

……こういう所なんだよなぁ。
僕は、顔を手で覆いながら壁にもたれた。
完敗だし、勝つ訳もない。

JS「ヒョン、どうしたの？」
JN「しっ！」

何のことだろう？という顔をしているチソンの口を抑えて、その場を離れた。
ここでは、僕の助けなんていらない。彼女は強いから。

けど、こんなに自立した彼女がたまに漏らす「疲れた」とか「曲作りで悩んでる」とか弱い部分を知っているのは自分だけ、と思い込んだら自然と口元が緩んでいた。

JS「ヒョンの顔気持ち悪い」
JN「チソンア？黙ろうか」

やっぱり、Aが好きだ。