Pure Love (ページ26)

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Aside

自分がアユクデを見ていた時、ヨジャドルが容姿や写りを気にして運動してるところを見て正直情けないな、と思っていた。
そりゃアイドルだからそういう気持ちもわからなくない。もちろん可愛くてなんぼだし、そういう恥ずかしがってる姿を好きな人もいる。でも私の性格は少々乙女から外れている部分があるから、やるならやれよ、なんて思ってしまうこともある。

自分が走り終えた時、メンバーはすご！圧倒的！さっすがA！と褒めてくれた。

「Aが足の速いっていう噂はホントだったのね」
『オンニ？私が嘘つくと思う？』

友達であるエスパのカリナオンニは目を大きく開けて驚いていたみたい。

まあ、こういった姿がよくないと思う人もいるようで。

ゴールして私と全く仲良くないのに、注目を浴びる私にあやかるように近づいてきたアイドルは、カメラが離れると「何してくれてんだよ」と呟いてきた。

真面目にやった私が、悪いってこと？

なんだか、アユクデはやっぱり良くない思い出に変わりそう。

次の種目のアーチェリーに向けて、皆が一旦用意で楽屋に戻る際、メイク直しをするのでと言われ一緒に戻る。

「ちょっと」
『はい？』

呼び止められると某人気ヨジャグループのメンバーが何人かそこにいる。
多分私の嫌な予感は当たっているはず。

「あんた、さっきから調子乗りすぎ。人気者だからってしていいことあるでしょ」
「あんただけガチ勢みたいwちょっと運動出来るからって見せびらかしたい？」
「男にだってどうせ色仕掛け使ってるんでしょ？ガード固いのはフリだけなのね」
「A、Aってどのアイドルも言ってるのはどういう仕業？あんた何かしてるんでしょ？」

根拠の無さすぎる悪口を面と向かって言ってくる。
ムカつく、という感情もあるけど、私が悪いとは一切思わないので寧ろ笑えてくる。

「なによっ何とか言いなさいよ！！」

何も言わない私を見て、イライラしている様子が見て分かる。これ、あなた達が大好きなアイドルが見たらどう思うんでしょうね、なんて鼻で笑っちゃったり。
いや、あのさ。まだ収録やってるんよ。って思いながらも自分よりキャリアが上の先輩だから言うことも出来ない。

『ここで誰かが私を助けに来るとでも思いますか？』

顔を上げて、笑いながら言う。
私の言動を見て疑問を浮かべる一同。