Pure Love (ページ19)

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活動での私達のパフォーマンスなどは評判を呼び、私は個人でバラエティ番組などに呼んでもらう機会が増えた。

また、ドラマのOSTや他のアイドルへの楽曲提供など確実にキャリアアップだな、と思う仕事も舞い込んできた。

仕事、忙しいかも。

まさに仕事、作業場、宿舎の往復でオフもろくに取れない。

けど、必ずジェノさんへの連絡は返すことを決めている。

ジェノお疲れ様(^^
また1位取ったね?さすが!

『…ふふ』

Aありがとう😊ツアーの準備は順調ですか?

ジェノ動線覚えたりが難しいね、頭がこんがらがりそう
Aはいつもどうやって覚えてる?

A1回指示されたら覚えます笑

ジェノうわ、出たよ天才肌

『ふふ笑』

自分でもこのやり取りにニヤついてることが鏡を見なくてもわかる。良かった、うちの宿舎一人部屋で。
ベッドに腰掛けてスマホを弄る。

ジェノさんとのトーク内容は、最初こそ堅かったが、慣れてない私を見兼ねてか「見て！宿舎の近くにいた猫」と猫の写真を送ってきてくれた彼をきっかけに日常の話をしている。
そんなやり取りを楽しみにしている私がいる。

私たちが真剣に話すことは、文面じゃなくて対面でないといけないことくらいお互いにわかっているだろう。

ただ会いたい、という気持ちだけじゃなくて会ってお互いの価値観を確認したい。

いつもより活動に力を入れて励むことが出来た気がする。
活動が終わったら、会えるから。

ジェノここに来てね。待ってる

彼から送られてきた住所を宛に、変装をして気配を消して街並みを歩く。
だって、「Aはきっとお忍びで会ったことなんてないだろうから分かんないけど、そのまま来たらすぐバレるよ」ってジェノさんが言うんだもん。

完全にダル着で会うのも少しなんかなぁという気がして、お気に入りのTシャツを身に纏う。メンバーにどこに行くの？と聞かれたら、作業室と答える。こんな嘘初めてだ。

『…こんにちは』

JN「久しぶりだね」

狭い路地を入って、こじんまりとしたドアを開けると、オシャレで静かなカフェの個室に、子犬のような笑顔をうかべた彼が座っていた。