Pure Love (ページ14)

今日:180 hit、昨日:129 hit、合計:228,843 hit

13ステージページ14

それは数ヶ月前の＿あのことだ。

もしかしたら、私だけなのかも。

私は作業中に少しだけ思い出したり、
洗い終わって私の宿舎の机に置いてある、女子部屋に似つかわないあのハンカチを見つめる度に思い出していた。

まだ廊下を歩いた時点では、NCT DREAMのメンバー、ロンジュンさん、ヘチャンさんにしか会っていない。

ちなみに、ヘチャンさんは「Aちゃん、今回の曲本当にすごい！後で作成秘話教えて欲しいなっ」と親しくないのに言ってきたから、苦笑いしか出来なかった。

ドリーム先輩も、順調なカムバックだったみたいだ。アルバムの売れ行きもまた歴史を作り出し、練習室でカンナが「ジェミンオッパかっこよすぎぃ！」と叫びながら見せてきたMVで得たジェノさんが髪色がピンクという情報も頭の中にしっかりある。

デイズの方が後輩の為、全員で揃って挨拶に行く。

「こんにちは！デイズです！」

この挨拶、本当に意味あるのかなぁ……。
未だにこれの必要性をよく分かってない。と思いながらも頭を下げてみる。

頭をあげると、私はちょっとの瞬間であの人を探してしまっていたみたい。

あ、いた。髪色、やっぱりピンクだ。

ちょっと嬉しそうな、なんとも言えないような表情をしている……つて、私は読み取ったんたけど、どうなんだろう。

カムバックまで私たちデイズは暫く他の仕事を禁止していた。それは活動に集中させるためだ。特に私は、音楽作成の妨げになるため、ほかのメンバーよりそれが顕著だった。

「しばらく見なかったよね、A」
「今回のカムバックにおいて音楽作成の面について聞きたいことがあるんだけど」

中には私の音楽の話について興味を持つメンバーの方もいるみたい。

「いやいや…私なんて全然またまだで」

私独自の世界観は他の人にそうそう分かってもらうものではない。

そんなことよりも、ジェノさんの表情を気にしてしまう。

………全然、私の事見てすらなかった。

同じメンバーのロンジュンさんかな、チソンさんかな、多分それのどっちかだとおもうんだけど、その人と笑顔で話してた。

なんか、ちょっとショックだった。

なんでこんな私がショック受けてるんだろう？

私に興味があったとか、色々自惚れてたのかもしれない。
あー、恥ずかしい。

少しでも色々考えた私がバカだったみたい。
私は、下に落ちている花束の中の花弁を拾ってゴミ箱に捨てた。