Pure Love (ページ13)

今日:113 hit、昨日:129 hit、合計:228,776 hit

12ステージページ13

Aside

いつもと変わらない、いや、いつもよりドキドキしているカムバックの初舞台。

これには2つ理由があるみたい。
1つは、もちろん私たちデイズにとって大きな一歩であるから。今回のカムバックで私がコンセプトとして取り上げたのは日本のひな祭りの文化だ。
ひな祭り独特のお姫様の衣装やピンクの色合い、それは西洋や韓国人が思い描く可愛らしい人形とは違う。古き良き人形の良さに目をつけてオマージュしてみたのである。

これは、賭けだった。

最近では韓国ではある程度の流行りの型というものが決まっていて、そこに沿うように作る人が多い。

けど、別にひな祭りが流行っている訳でもないし、ただ私が春に向けて生きてきて「ひな祭り」という日本の行事での儚さに目を向けてコンセプト消化してみたいと思ったそれだけのこと。

いつもはかっこいいセクシー路線なデイズだが今回は一転してお姫様だから可愛く、そして儚さをも詰め込んだ。

正直、曲をリリースした昨日は音源サイトを暫く見れなかった。前回は5位と中々に順調で、この流れに行けば更に上を目指せると言われていた。

それでも、連続でヒットさせることは難しい。
だからこそ、挑戦してみなきゃ。私の心はそう言っていたから。

「A、大丈夫。あなたはすごいから」
「こんなコンセプト、アイドルで思いつくのはAオンニくらいよ？」
「てか普通に気にしなくても曲がいいじゃん。サビ、絶対皆好きって言ってくれると思うけどなー」

メンバーが常に私にかけてくれた言葉を思い出して、チャートの結果を見ると最初の入は14位。中々のスタートダッシュだった。

「このままいけば、10位以内は確実ね！」
「んー、5もいけるんじゃない？」

「わ、コメント。見て、これYouTubeの」
「なに。えー、このコンセプト思いついたの誰？まさかAじゃないよね。だとしたらこんな天才がアイドルだなんて有り得ないことある？だってよ」

「はぁ…」

私はため息をついた。このため息に反応するメンバーたち。

「なに！？ため息！？」

「違うよ。Aのことだわ。きっと緊張が途切れたのよ」
「良かったわ。とりあえずこのカムバックはまだ始まったばかり！今日の初舞台頑張りましょう！」

私のプロデューサーならではの悩みは、カムバック全体に関わってくる。
しかし、初舞台ということに、もう1つの理由が関わってくるのだ。