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眠らない街、神室町
正直、治安はあまり良くない……いや、悪い
だが、今の荒れている私にはそれが丁度良かった
「も〜アコちゃ〜ん聞いてるぅ??」
今日も私は1人、カウンターに突っ伏しお酒を飲んでいた
「聞いてるわよ…まったく、あんた飲み過ぎよ?」
「だってぇ〜飲んでないとやってられないんだもん〜!!」
「だからって…今日でもう5日連続そんな調子じゃない!」
「だって、だってぇぇ〜」
そう、私は5日連続この亜天使で飲んだくれている
5年付き合っていた彼氏に振られてしまい、無気力のまま仕事も辞めて、地元に居ると彼氏との思い出の場所ばかりで嫌になり、フラフラと神室町まで出てきてしまった
それでも立ち直れず何となく入った亜天使で5日連続荒れまくっていたのだ
涙でボロボロの顔で店に入ってきた私に、最初は驚いていたアコちゃんだったが、優しく向かい入れてくれた
そんなアコちゃんの優しさに甘え、今日も愚痴を聞いてもらっていた
「まったく…Aちゃんそんなに飲んでたから身体壊すわよ…」
「いいのー!!別に身体壊しても心配してくれる彼氏もいないし…もう失うものも何も無いもん…うぅぅうぅぅ〜」
自分で言っていて情けなくなってしまい、また泣き出してしまった
せっかくアコちゃんが心配してくれているというのに、卑屈なことしか言えない自分が嫌になってくる
私はいつからこんなに弱くなってしまったのか…
そんな事を考えているうちに、私しか居なかったお店にいつの間にかお客さんがもう1人入店していた
「あら、いらっしゃい…やかましいのが居てごめんなさいね…」
やかましいのとは私の事だろう
いい歳して失恋ごときで人様に迷惑をかけてしまっているこの状況にも情けなくなってきた
なんだか泣く事にも疲れてきて、ぼーっとした頭でアコちゃんとお客さんの方を見る
カウンター席、私の2つ隣の席に座っている男の人と目が合った
私の顔を見て一瞬目を見開いた男性は
「えらい荒れとんなぁ、お嬢ちゃん」
と、少し困り顔で話しかけてくれた
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kajtuuwn(プロフ) - オリジナ/ルのタグが立ってます。ルール違反ですから外して下さい (2022年7月25日 16時) (レス) id: 08bd233888 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こぱんだ | 作成日時:2022年7月25日 16時