その彼氏、異常愛。

香港 ページ28

．

「香港なんて嫌いよ!!」


部屋中に響き渡るぐらいの大きな声で叫ぶ。

叫びすぎて少し喉が痛い。

けどそんな事考える暇などない。

私の彼氏は異常なのだ。

性癖とかの話ではなく、私に異常なぐらい世話をやいてくる。

短いスカートは風邪を引くから履くな、

煙草は体に悪いから吸うな、

ヒールは足を痛めるから履くな、

1人は危ないから常に俺といろ、

夜は外に出るな、

とか、こんな事は日常茶飯事で。

この前なんて買い物は危ないから俺が行くなんて言い出して。

過保護にも程がある。


香港「なんでそんな事言うの的な?」


不思議そうな顔をして私の腕をつかむ。

ぐっと力を込めて抜け出そうとするが抜け出せない。


「香港が可笑しいからでしょ?!」

香港「可笑しいって何が」

「外に出るなとか、包丁握るなとか」

香港「それはAが心配だから」

「心配って…そんな事言われたら私なにもできないじゃない。」

香港「それでいい的な？」

「は？」


間抜けな声が出る。


香港「Aは何もしなくていい、俺の側にいてくれるだけで良い的な」

「ちょ、待ってよ」

香港「たとえAが動けなくなっても俺が手伝うし」

「香港ッ!!」

香港「Aが食べれなくなっても俺が口移しで食べさせてやる的な」


いっこうに私の話を聞こうとしない。

というか聞こえていないのか。


香港「だからAは何もしなくて良い」


そう言って私を抱きしめる。

痛いぐらいに。


香港「分かった？」


人を殺しそうな目を私に向ける。

怖くなってゆっくり頷く。

そうしたら嬉しそうに私をもっと強く抱きしめる。


(So given to worrying that it is amusing)

(可笑しいほど心配性)


END

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