【アニキャラ】"貴方"という"私"【成り代わり短編集】

きっとそれは＊黒子成り高尾甘夢＊雪野原様リク ページ33

＊side・高尾＊


これはまだ

オレが中学生だった頃の話だ


キセキの世代にボロクソにやられた

悔しくて、悔しくて、涙が零れた

そんな時

オレの"視界"の端に

綺麗な水色が、映った


｢ヒナタ、ちゃん？｣


びくり、肩が震えた


｢か、かず、く｣


振り向いた彼女の頬には

透明な雫が、伝っていた


｢なんで、ヒナタちゃんが泣いてんのさ｣

｢だ、って…もう、なにが正しいのか、分からなくて…っ、誰も、必要としてくれなくなって…見つけて、くれなく、なって…っ｣


ぽろぽろ

次から次へと零れる涙

オレよりずっと、辛そうな顔

なんで君はいつも、泣いてるんだろうな

初めて会ったときも

かくれんぼで見つけてもらえなくて泣いてた

中学上がる時も

帝光行けるってのに

オレもアイツもいないって泣いてた

なんでいつも、君なんだろう

誰よりもバスケが好きで

誰よりも努力してて

誰よりも優しくて

そんな君は、どうしていつも泣いてるの

なんにも、悪くなんてないのに

なぁ、なぁ、泣かないで

オレが、オレが、笑わせるから


｢ヒナタちゃん、辛い？｣

｢っ辛い、です…っバスケが、好きなのに…帝光のみんなが、好きなのに…っ｣


辛い、辛い

君の表情が、語っている

ああ、お願いだから、泣かないで


ふわり


優しく君を腕の中に閉じ込める


｢かず、くん？｣

｢大丈夫、大丈夫だよ、ヒナタちゃん｣

｢大、丈夫って、？｣


もう、泣かなくてもいいんだよ


｢オレが、他の誰でもないオレが

いつ、どこにいても

たとえ人混みに流されてても

物陰に隠れるように逃げてしまってても

必ず君を見つけるから

だからさ、もう泣かなくていいんだよ

君は君のために

それからできればオレのために、笑って？｣




(ぽろり、零れた新しい雫)

(君は笑ってたからきっとそれは嬉し涙)

完璧＊赤司成り緑間甘夢＊十六夜（女）様リク→←努力の証＊幸村成り赤司甘夢＊十六夜（女）様リク＊黒バスクロスオーバー

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