（41-��.） ページ12
｢A｣
｢…なに?｣
｢ごめんね。辛い思いさせてしまって…｣
｢そんなことない。私、幸せだった。大我は私の…運命の人だもん｣
｢俺も、ずっと…そう思ってた。そう、思いたかった｣
｢そうなんだよ、きっと。でも、私は…私たちは、運命に抗うんだ｣
大我はAにとって運命の人だった。
それはきっと、神様が決めたことで、ひとつの真実だ。
しかし、その決められた運命に大人しく従っていては、それはきっと、つまらない。
｢なんか…かっこいい｣
｢私たち、かっこいい生き方をする。お互いに｣
Aは笑った。
つられて、大我も笑った。
｢幸せな時間を、ありがとう｣
｢こちらこそ、たくさんたくさん…ありがとう｣
Aと大我は最後に見つめ合ったが、涙が邪魔をして、Aは大我の顔をはっきりとは確認できない。
しかし、それでも、大我が笑っていることだけはわかった。
Aにとって、それだけで十分だった。
最後に大我の笑顔をちゃんと見たいだなんて、おこがましい。
Aと大我の物語が笑顔で終わった、という事実が紛れもなくそこにはあった。
Aと樹に背を向け歩き出す大我の姿は、きっといつまでも、Aにとっての王子様なのだ。
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さいか(プロフ) - リリーさん» コメントありがとうございます！最後まで楽しんで頂けたなら、本当によかったです！ぜひぜひ、次回作も楽しみに待っていてください！ (2019年2月3日 0時) (
レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
さいか(プロフ) - なるみやさん» コメントありがとうございます！お褒めの言葉とても嬉しいです！最後まで書いてよかったと思えました。ぜひ、次のきょもほくもよろしくお願いします！ (2019年2月3日 0時) (レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - 完結お疲れ様です！今回も素敵な作品で最後まで物語の世界へ引き込まれていきました。何度も読み返したくなるような…。次回作も期待してます！ (2019年2月2日 22時) (レス) id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
なるみや(プロフ) - はじめまして。完結おめでとうございます！とても言葉のチョイスが素敵で惹き込まれました(;_;)それぞれの思いが交差して絡まって最後は綺麗に解けていく、そんな風に感じました。次のきょもほくの作品もとても楽しみにしています！ (2019年2月2日 21時) (レス) id: 3d9da8fdcf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さいか
| 作成日時：2019年1月25日 20時
