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Aが部屋で暇つぶしのため読書していた時だった、家のどこからか、大量の皿が割れる音がした。
あまりの大きな音にAは読書を中断し、様子を見に現場と考えられるキッチンへと向かった。
案の定、キッチンには大量の皿の破片が散らかり、その傍らにはジェシーが無表情で立っていた。
｢大丈夫?…怪我、してない?｣
Aがジェシーに話しかけても何も答えない。
ジェシーの無反応に困ったAは、とりあえず近くの用具入れからほうきを取り出し、片付けを始めた。
その割れた皿の量と、ジェシーの反応にAは少しの違和感を抱いた。
執事としてベテランのジェシーが、このようなミスを犯すのだろうか。
そんなことを考えながらも、未だ動こうとしないジェシーに代わり、Aはひたすら皿の破片を片付ける。
｢…どうしてですか?｣
｢え…?｣
突然言葉を発したジェシーに驚き顔を上げると、ジェシーの悲痛な表情がAの瞳に映った。
｢どうしてあなたは、大我様の愛を…裏切るのですか?｣
まるで昨晩のことを、樹とのことを知っているかのようなジェシーの口調に、Aの背筋は凍りつくようだった。
｢何を、言っているの?私はそんなこと…｣
｢してるじゃないですか。…あなたはわかっていない。大我様に愛されていることが、どれだけ幸せなことか…どれだけ、俺が望んだことか…!｣
｢ちょっと、ジェシー…?｣
気がつけば、ジェシーの目は潤み、声もかすかに震えていた。
そして次の瞬間、ジェシーは床に散らばる皿の破片を一欠片拾い上げ、それを手に持ったままAを壁際まで追いやった。
｢どうゆうこと、ジェシー｣
｢邪魔なんだよ。あんたの中途半端な愛が｣
首元に皿の破片を突きつけられたAは下手に身動きが取れず、ジェシーの言葉に耳を傾けるしかなかった。
｢あんたさえいなくなれば…俺が大我様の1番そばにいられる。俺が、幸せにできる!｣
｢やめて、ジェシーお願い｣
｢黙れ!…全部、お前のせいだ｣
ジェシーは皿の破片を更にAの首へと近付ける。
しかし、怯えるAの表情を見てしまったジェシーはつい、力が弱まり手から皿の破片が滑り落ちてしまった。
Aは逃げれる状況になったが、その場から1歩も動かなかった。
｢ジェシー、私には…大我より大切な人がいる｣
｢…じゃあなんで、なんで6年間も一緒にいたんだ!6年間も…俺から彼を奪い続けた!!｣
｢それは…｣
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さいか(プロフ) - リリーさん» コメントありがとうございます！最後まで楽しんで頂けたなら、本当によかったです！ぜひぜひ、次回作も楽しみに待っていてください！ (2019年2月3日 0時) (
レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
さいか(プロフ) - なるみやさん» コメントありがとうございます！お褒めの言葉とても嬉しいです！最後まで書いてよかったと思えました。ぜひ、次のきょもほくもよろしくお願いします！ (2019年2月3日 0時) (レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - 完結お疲れ様です！今回も素敵な作品で最後まで物語の世界へ引き込まれていきました。何度も読み返したくなるような…。次回作も期待してます！ (2019年2月2日 22時) (レス) id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
なるみや(プロフ) - はじめまして。完結おめでとうございます！とても言葉のチョイスが素敵で惹き込まれました(;_;)それぞれの思いが交差して絡まって最後は綺麗に解けていく、そんな風に感じました。次のきょもほくの作品もとても楽しみにしています！ (2019年2月2日 21時) (レス) id: 3d9da8fdcf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さいか
| 作成日時：2019年1月25日 20時
