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Aは少し迷った後、樹の家に行くことにした。
久しぶりの樹の家は相変わらずで、Aは昔みたいに樹の母親に手を合わせ、懐かしい思いに浸っていた。
そして、何も変わらない樹と、変わってしまった自分を比べ、無性に悲しくなった。
｢A｣
｢…ん?｣
｢風呂、入っていいよ｣
樹はそう言うとバスタオルと、自分の大きめのTシャツをパジャマ代わりとして差し出した。
Aはそれを受け取り、脱衣場に向かった。
脱衣場に入り、Aはなんとなく、棚の1番下の引き出しに目をやる。
昔ならそこに、自分の着替えが常に置いてあった。
それからもう5年が経ち、あるわけがないと思いながらも、それを確認するためになんとなく開けてみた。
しかしその中には、Aの予想と反して、新品の女性ものの下着がしまってあった。
Aは急いで引き出しを閉め、見なかったことにしようと頭を振り、何事も無かったかのように風呂に入った。
あれは何だったのか、樹のものではないことは明らかで、それなら一体誰のものなのか…もしかして、樹にはお泊まりを許すような相手がいるのだろうか、とAは湯船で思考を巡らせた。
｢A｣
ドアのノックされる音とともに、樹の声が浴室に響いく。
そこで初めて、Aは額にじんわりと汗をかくほど長く湯船に浸かっていたことに気がついた。
｢な、なに?｣
｢あのさ、昔Aが着替え置いてた引き出しに、いちお、新しい着替えおいてあるから…｣
｢…え、｣
｢いやその、サイズとかはわかんなくて…合うかはわからないけど。…それだけ｣
そう言い残すと樹はそそくさとその場を後にしてしまった。
Aはしばらくポカーンとした後、急に嬉しくなった。
もしかすると、樹はずっと私がいつ泊まりに来てもいいようにしておいてくれたのかもしれない…そう考えると、嬉しくてたまらなかった。
Aは風呂から上がり、新品の下着を着て、それは少し小さかったけれど、それでも樹の優しさに包まれたような気がした。
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さいか(プロフ) - ちいさん» お褒めの言葉、ほんっとうに嬉しいです(;_;) 最後までどうぞよろしくお願いします！！！ (2019年1月25日 20時) (
レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
さいか(プロフ) - ゆりさん» コメントありがとうございます！ ぜひ、最後まで楽しんでください！！ (2019年1月25日 20時) (レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 初めて読んだ瞬間、なんて素晴らしい文章力だろうと感動しました。個人的に大我くんが好きなので、女の子と上手くいって欲しいな…と祈りながらも楽しく読ませて頂きます笑 これからも応援しています。 (2019年1月24日 20時) (レス) id: a3ba396e6d (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - 今回の作品もとても楽しみにしています！ (2018年12月21日 11時) (レス) id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さいか
| 作成日時：2018年12月20日 23時
